押井守

押井守について

押井守（おしい まもる、1951年8月8日生まれ）は、日本の映画監督、アニメーション演出家、小説家、脚本家として多岐にわたる活動を展開している。彼は東京大学大学院で特任教授としても教鞭を執り、2021年時点では静岡県熱海市に在住している。

生い立ち

東京都大田区大森に生まれた押井は、年の離れた兄、姉、さらに二人の弟を持つ家庭環境で育ちました。父は興信所を開いていたが、家庭にはあまり目を向けず、映画好きであったため、押井を映画館に頻繁に連れて行ったといいます。幼いころから映画に親しむ中で、彼は映画業界への夢を抱くようになりました。

中学時代にはSF小説に熱中し、次第にSF作家を志すようになった彼は、高校時代には学生運動に関わるようになり、その影響が後の作品づくりに現れることになります。東京学芸大学に進学後は、長い間映画に没頭し、サークルを立ち上げるまでになり、実写映画を撮り始めましたが、大学の授業にはほとんど出席しませんでした。これが後に彼のスタイルに影響を与えることとなりました。

アニメ業界入りと初期の活動

押井は1976年にラジオ制作会社に就職し、アニメ制作に関心を寄せ始めますが、給料の未払いに悩み、退社。その後、1977年に竜の子プロダクションに入社し、アニメ業界に足を踏み入れました。ここで『一発貫太くん』や『ヤッターマン』で演出を手掛け、アニメ演出家としての第一歩を踏み出しました。

彼の独特な視点と才能が評価され、1979年にはスタジオぴえろに移籍し、1980年にはNHK総合テレビで『ニルスのふしぎな旅』を演出。当時の彼は「視聴率男」と呼ばれるほど多くの視聴者を惹きつけていきます。特に『うる星やつら』のチーフディレクターとして名を馳せ、1983年には初の劇場映画『うる星やつら オンリー・ユー』で監督デビューを果たします。

映画監督としての確立

以降、押井は『機動警察パトレイバー』シリーズや『GHOST IN THE SHELL / [[攻殻機動隊|GHOST_IN_THE_SHELL___攻殻機動隊]]』など、数々の名作を監督し、アニメ映画の枠を超えた作品を次々と生み出しました。『攻殻機動隊』は特に海外での評価が高まり、アニメーション映画として初めて米ビルボード誌のビデオ週間売上で1位を記録。

実写映画制作にも挑戦し、1987年には『紅い眼鏡/The Red Spectacles』で実写監督を務め、その後も数多くの映画祭に出品するなど、国際的な評価を得ています。彼の作風は、映像表現や音響、虚構と現実をテーマにしたものが多く、「映画の半分は音である」と語るほど音響に対する探求心も表れています。

影響と人間関係

押井は、宮崎駿や庵野秀明など、多くの同業者からもリスペクトされ、影響を与えました。また、彼自身も多くの海外クリエイターから影響を受けると同時に、彼自身の作品も数多くの映画監督にインスパイアを与えています。

現在の活動

近年では、「押井塾」を設立し、若手クリエイターの育成に力を注いでいます。また、今後の作品や新たなプロジェクトにも期待が寄せられています。押井守は、日本のアニメーションの革新者として、これからも多くのファンに支持され続けることでしょう。

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