山崎一保

山崎一保（1882年5月 - 1944年3月21日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の実業家であり、東洋綿花の代表取締役会長を務め、日本の綿花貿易の発展に大きく貢献しました。

京都府出身の山崎は、1904年に東京高等商業学校（現在の一橋大学）を卒業後、三井物産に入社しました。三井物産では、大阪支店綿花部に配属され、その才能を発揮し、1914年には同部副部長に昇進しました。当時の日本の綿花産業は、国際競争が激化しており、山崎は、その中で、品質の向上やコスト削減、販路拡大などに尽力し、日本の綿花産業の発展に貢献しました。

1920年、三井物産の綿花部が独立し、東洋綿花が設立されると、山崎は同社の常務取締役に就任しました。東洋綿花は、設立当初から、海外市場への進出を積極的に進めており、山崎は、その中心的な役割を担いました。彼は、海外の綿花産地との交渉や、販売網の構築などに奔走し、東洋綿花を、世界的な綿花貿易会社へと成長させました。

1930年には、児玉一造の後任として専務取締役に就任し、さらに1934年からは代表取締役会長に就任しました。会長として、山崎は、東洋綿花の経営を指揮し、日本の綿花貿易の発展に大きく貢献しました。また、輸出綿糸布同業会会長も兼務し、日蘭会商への対応にあたるなど、業界全体の発展にも尽力しました。

山崎の功績は、日本の綿花産業の発展に留まらず、日本の経済全体の発展にも貢献したと言えるでしょう。彼は、常に時代の変化を捉え、新しい事業に挑戦することで、日本の経済の発展に貢献しました。

山崎の親族関係にも注目すべき点があります。妻の幸は、在ベルギー一等書記官や外務大臣官房翻訳課長などを務めた竹村本五郎の二女であり、国際的な感覚を持つ人物でした。また、父は京都の名望家である山崎一道であり、良質な家庭環境で育ったことが伺えます。長女は筧泰彦の妻、次女は小寺明の妻であり、それぞれが社会で活躍しました。

山崎一保は、日本の綿花貿易の発展に大きく貢献しただけでなく、その人格と先見性によって、多くの人々に影響を与えた人物でした。

もう一度検索