山崎丞

山﨑丞の生涯と新選組での活躍

山﨑丞（やまざき すすむ）は、幕末の激動期に活動した新選組の隊士の一人です。彼の生年は不明ですが、慶応4年1月13日（1868年2月6日）に亡くなりました。出身地については諸説あり、摂津国大坂であるとする説の他に、山城国であるとの見解も存在します。家族は医師または薬剤商であったとされ、彼自身も医学を学び、現在に残るエピソードでは「我は新選組の医者なり」と周囲を笑わせたという言葉が伝わっています。

新選組への入隊と役割

山﨑は文久3年（1863年）末に新選組に参加しました。彼は元治元年（1864年）から隊士の動向を調査し、情報収集を担当しました。その能力は非常に高く、入隊から数ヶ月で上級の役職を与えられ、異例の職務である諸士調役と監察を兼任することになりました。

また、彼は京や大坂に詳しく、幹部たちを頻繁に案内していました。大坂の裕福な商人たちとのつながりもあり、その仲介を通じて隊の資金集めにも貢献しました。こうした功績から、山﨑は新選組の中でも非常に重宝された人物でした。彼は香取流の棒術に秀でており、自ら長巻を使ったという説もあります。

池田屋事件とその後の戦い

彼は元治元年6月に起きた池田屋事件で諸士調役兼監察として活動しました。この事件では、彼が尊攘派の拠点である古高俊太郎の家を突き止め、その情報を新選組に提供したことが記録されています。これにより、新選組は尊攘派の計画を未然に防ぐことに成功しました。

しかし、山﨑の功績に対して報酬を受け取った隊士の中に、その名前が含まれていなかったため、子母沢や司馬遼太郎などによる後世の創作ではないかとの説も登場しています。一方、池田屋事件の直後に除隊した篠塚岸三という隊士との関連性が指摘されることもあります。

その後、禁門の変や長州征討などの重要な戦闘でも彼の情報収集能力は光り、近藤勇や会津藩に的確な情報を届けました。

最期と名声

慶応4年1月、山﨑は鳥羽・伏見の戦いで重傷を負い、1月13日に江戸への撤退中に死亡しました。彼は紀州沖で水葬されたとされ、その際、近藤は彼との別れを惜しむ言葉を述べたと伝わっています。しかし、同船していた隊士たちの記録には山﨑の最期に関する詳細は記されていないため、正確には不明な点も多いです。

また、彼の家族に関する情報はあまり残っておらず、生家や血縁についても定かではありません。山﨑丞は新選組の一員として特異な存在であり、その生涯は後世の歴史に大きな影響を与えました。

日記と文献

1865年に彼が記したとされる「取調日記」が公開され、これは新選組に関する貴重な史料として評価されています。この日記には彼のリアルタイムの記録が残されており、当時の隊士名や組織の構成が明らかとなっています。

また、山﨑丞に関する小説や研究も存在し、続いて彼の名声や活躍が描かれています。彼は今なお多くの人々に語られ、幕末の英雄としてその名を歴史に刻んでいます。

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