山崎宏

山崎宏

山崎宏（やまざき ひろし、1903年4月16日 - 1992年11月12日）は、日本の東洋史学者であり、東京教育大学名誉教授として知られています。彼の名は、学術界において中国仏教史研究の先駆者として刻まれています。

経歴

1903年、山崎宏は新潟県に生まれました。新潟師範学校、東京高等師範学校を経て、東京文理科大学を卒業。教育者としての道を歩み始めます。

東京高等師範学校、東京文理科大学、そして東京教育大学で教鞭を執り、数多くの学生を育成しました。1967年に東京教育大学を定年退官し、名誉教授の称号を受けました。その後、立正大学教授として教壇に立ち、1976年に同大学を退職するまで、教育と研究に尽力しました。

1973年には、長年の教育研究の功績が認められ、勲三等旭日中綬章を受章。その学術的な貢献は社会的に高く評価されました。1992年に逝去後、正四位を追贈され、その生涯を閉じました。

業績

山崎宏の専門は東洋史、特に中国仏教史であり、隋唐仏教史研究において多大な功績を残しました。彼の研究は、仏教が中国社会や文化に与えた影響を深く掘り下げたものであり、その成果は多くの著作として結実しています。

著書

『隋の高祖文帝の佛教治國策』 (東方書院、1934)
『敎材の觀照と指導方案 －外來文化及内鮮關係敎材－』 (四海書房、1936)
『東洋』 (建文館、1940)
『東洋史・中古』 (研究社、1940)
『支那中世佛敎の展開』 (清水書店、1942)　のち法蔵館
『新東洋史』 (三省堂出版、1949)
『東洋史通説』 (世界社、1950)
『最新世界史研究』 (金子書房、1954)
『新制世界史研究』 (金子書房、1961)
『隋唐仏教史の研究』 (法蔵館、1967)
『中国仏教・文化史の研究』 (法蔵館、1981)

共編著

『概説大東亜史』 (有高巌共著、同文書院、1943)
『東洋史上の古代日本』 (清水書店、1948)
『現代の世界』 (矢田俊隆共著、金星堂、1950)
『後進アジアの近代化』 (東一夫共著、金星堂、1950)
『学習活用資料世界史 5版』 (清水書院、1952)
『歴史の研究 中学資料』 (中村篤二郎共編、清水書院、1954)
『総括世界史』 (中村篤二郎共著、金子書房、1955)
『大学受験世界史演習 テーブル式』 (評論社、1960)
『歴史の研究 中学資料』 (中村篤二郎共編、清水書院、1960)
『東洋史概説』 (南雲堂深山社、1969)
『世界史事典』 (兼岩正夫共編、評論社、1970)

これらの著作は、中国仏教史研究における重要な参考文献として、今日でも広く参照されています。

記念論集

山崎宏の学術的な功績を記念し、以下の論集が刊行されました。

『東洋史学論集 山崎先生退官記念会』 (1967)
『台湾の宗教と中国文化 山崎宏先生頌寿記念論集』 (東方文化研究協会、1992)
* 『中国の霊籤・薬籤集成 山崎宏先生頌寿記念論集付編』 (東方文化研究協会、1992)

これらの論集は、山崎宏の学問に対する情熱と、彼が学界に与えた影響の大きさを物語っています。

山崎宏は、教育者として、また研究者として、日本の東洋史学の発展に大きく貢献した人物として、その名が記憶されるでしょう。

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