山崎春美

山崎春美について

山崎春美（やまざき はるみ）は1958年に生まれ、日本のロックシーンでその名を轟かせたミュージシャン、編集者、そしてライターです。彼女の音楽活動は、特に前衛的であり、ライブパフォーマンスにおいては自傷行為を伴った「自殺未遂ギグ」など、衝撃的な要素が多く含まれています。また、彼女は自販機本『Jam』の編集者としても知られ、さらに雑誌『HEAVEN』では3代目編集長を務めました。東京のアンダーグラウンドシーンでの彼女の役割は計り知れず、影響を与えたミュージシャンや作品は多岐にわたります。

来歴

山崎は1976年、まだ高校生だった頃に音楽雑誌『ロック・マガジン』に執筆を始めます。翌年には上京し、明治大学の現代音楽ゼミに参加し、同時に「ガセネタ」というバンドを結成。アンダーグラウンド活動を展開し、さまざまなミュージシャンと交流を持ちます。1978年には日本大学芸術学部文芸学科に入学後、自販機本『Jam』の編集に関与。1979年には「ガセネタ」が解散し、行方不明だった漫画家・蛭子能収を発見し再デビューさせるなど、活発な活動を続けました。

その後、彼女は1980年にニュー・ウェイヴ雑誌『HEAVEN』の創刊に関わり、同国のアンダーグラウンドシーンを核にしたロックバンド「TACO」を結成。TACOは即興音楽集団として名を馳せ、この時期には「天国注射の昼」と呼ばれる重要なイベントも主催しました。このイベントには、当時のアンダーグラウンドシーンを牽引する多くのバンドが参加し、その盛り上がりが広がりを見せました。

音楽活動と影響

1982年、山崎が行った「自殺未遂ギグ」は彼女のキャリアの中でも特に印象的な事件であり、これが彼女の「自傷行為を伴うパフォーマンス芸術」という新たなスタイルのひとつを確立することにつながりました。1983年にはTACO名義で1stアルバム『タコ』をリリースし、当時のシーンにおいて自主制作盤としては画期的なヒットを記録しますが、その歌詞に問題があり、結果的に自主回収となります。この事件は、彼女とその活動が常に議論を呼ぶ存在であり続けたことの証でもあります。

その後、彼女は音楽活動から一時引退し、1993年に結婚。家庭を持ちながらも、音楽への情熱を持ち続け、2011年にはTACOのアルバムがリマスタリングされたり、2012年には彼女自身の著作集が発表されるなど、再び注目を集めました。

現在と評価

近年、山崎は音楽活動を再開し、古巣であるTACOのメンバーとのコラボレーションを行い、新たな音楽の地平を広げています。また、彼女の音楽や活動は、評価の高いミュージシャンや音楽評論家たちからも注目されており、80年代前半におけるオルタナティブミュージックの先駆者としての名声を確立しています。彼女の多様な表現や一貫した姿勢は、現代のアーティストたちにも影響を与え続けています。

山崎春美の音楽は、その前衛的かつ社会的なメッセージをも持つ独特なスタイルを持ち、彼女の存在は日本の音楽史において忘れがたい存在となっています。

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