山崎治正

山崎治正：江戸時代後期の大名

山崎治正（やまざき はるまさ）は、江戸時代後期の外様大名で、備中国成羽藩の初代藩主です。彼の生涯は、いくつかの重要な家系の結びつきと、政治的な活動によって形作られました。治正の誕生は文政4年（1821年）10月1日、交代寄合表向御礼衆の大和国田原本領主・平野長興の次男として江戸で行われました。母は、当時の備中国成羽領の8代領主である山崎義徳の娘であり、彼の家系には既に権力の影響力が色濃く表れていました。

治正の正室は出羽国米沢藩の第11代藩主・上杉斉定の娘ですが、後に離縁し、継室には肥後国宇土藩の第9代藩主・細川行芬の娘を迎えます。この細川家との結びつきにより、治正は肥後国の藩主や他の大名との義兄弟関係を築くことができます。彼の家系は、さまざまな地域の藩主との結びつきがあり、治正自身もその影響を受けて生きてきました。

文政10年（1828年）、叔父である第10代領主・山崎義柄の死去に伴い、治正は成羽領の家督を相続し、第11代領主と名乗ることになります。彼は家督相続後、すぐに11代将軍・徳川家斉に拝謁する機会を得ました。天保6年（1835年）3月15日、重要な政務に関わる歩みが始まります。その後、天保7年（1836年）には、幕府による浜御殿の大手門番を命じられるなど、政治的な役割を果たしました。

治正はその後の天保8年（1837年）にお国入りの許可を得て、浜御殿の大手門番を辞任しました。これに続き、慶応元年（1865年）には領内の治安維持を図るために農兵隊を結成するなど、藩主としての施策も取りまとめました。

明治元年（1868年）4月には、飛領浅口郡連島での新田開発により、所領が増加したことを新政府に申し立て、明治の新たな政権下での成羽藩の立藩を許可されます。これに伴い、治正は名を治正と改名し、大名としての地位を確固たるものにしました。

明治2年（1869年）には隠居の申し出を受け入れられ、家督を長男の治祇に譲りました。隠居後は竹翁と名乗り、余生をその名で過ごしました。治正は明治9年（1876年）3月6日に亡くなり、56年の人生に区切りをつけました。

系譜

治正の生家は平野長興、母は山崎義徳の娘であり、彼の背後には強固な家系が存在していました。家族としての結びつきも強く、彼は多くの子女をもうけました。長男の治祇は成羽藩の第2代藩主、次男の信親は丹波国の藩主として名を挙げています。また、細川行芬との結婚により、他の名家との強い結びつきを維持し、家族関係も広がりを見せました。

治正の人生は、藩主としての挑戦だけでなく、その背後にあった家族の繋がりや、他の大名家との関係によっても支えられていたことを示しています。それぞれの関係性は、江戸時代の政治的な背景を映し出す重要な要素となっています。

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