成羽藩

成羽藩の概要

成羽藩（なりわはん）は、岡山県高梁市成羽町周辺を治めていた藩で、江戸時代の大部分は交代寄合表向御礼衆の旗本領として存在しました。藩庁は最初成羽城であったが、後に成羽陣屋と名を変えました。

藩の成立と初代藩主

成羽藩は元和3年（1617年）、因幡国の若桜藩主、山崎家治が大坂の陣の功績により、35,000石をもってこの地に入部したことで始まりました。家治は鶴首城を廃城とし、成羽陣屋を築きました。その後、家治は幕府から多くの重要な仕事を賦与されることになり、また彼は「築城の名手」と称されるほどの才能を持っていました。

家治は元和6年（1620年）に大坂城の築城工事に関与し、その石垣には今も彼の家紋が刻まれています。また、彼は中之島地域の開発にも貢献し、ビジネスの側面でも評価されていました。

移封と新たな藩主

その後、家治は寛永15年（1638年）、島原の乱で荒廃した天草の復興を命じられ、肥後国富岡[[藩]]に転封されました。彼の後を受けて、寛永16年（1639年）に水谷勝隆が5万石で藩主となりましたが、わずか3年後には備中国松山藩へ転封となり、成羽藩は廃藩の憂き目に遭いました。

交代寄合表向御礼衆時代

その後、山崎家は万治元年（1658年）に再び成羽に戻り、豊治が領地を安堵されました。この際、山崎家は幕府の許可を得て国元へ赴くことができ、交代寄合表向御礼衆として認められることとなりました。この制度により、大名と同等の扱いを受けました。

この時代、藩は花火行事や新田開発などの地域文化の発展にも寄与しました。特に1714年の愛宕神社への花火奉納は、現在も「成羽愛宕大花火」として受け継がれています。

最後の藩主と廃[[藩置県]]

成羽藩は幕末まで山崎家が統治しましたが、廃[[藩置県]]により成羽県となり、その後岡山県に編入されました。明治17年には山崎家が男爵に叙せられました。

がま池の伝説

また、江戸時代の成羽藩上屋敷には「がま池」と呼ばれる大きな池があり、火事から山崎家を守ったという伝説も残っています。この池は地域の守り神とされ、多くの人々に親しまれていましたが、現在ではそのほとんどが埋め立てられ、一部の遺構が残るのみとなっています。

歴代藩主の系譜

成羽藩の歴代藩主は、山崎家（前期）が3万5,000石で支配していました。その後、短期的に水谷家が5万石で藩を治めましたが、その後再び山崎家が交代寄合表向御礼衆として成羽を治め続けました。

成羽藩の歴史は、地域の文化や経済に多くの影響を与え、今でも様々な形でその痕跡が残っています。

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