山嵜義三郎

山嵜義三郎の人物像と業績

山嵜義三郎（やまさき よしさぶろう）は、1907年9月3日に京都市で生まれ、社会政策学の分野で顕著な業績を残した日本の学者です。彼は2007年6月28日に亡くなるまで、日本の経済学界において重要な位置を占めました。神戸大学の名誉教授として、その後の教育および社会政策に積極的に貢献しました。

教育と初期の経歴

彼は1925年に京都市立第一商業学校を卒業し、その後神戸高等商業学校に進学します。ここで八木助市に師事し、ヘンリー・ジョージの土地制度論について深く研究しました。最終的に1932年に神戸商業大学を卒業し、1936年には同大学で研究科を修了しました。1937年からは大連高等商業学校の教授として教鞭を執り、その後1948年には神戸経済大学附属経営学専門部教授に就任します。

1951年からは神戸大学経済学部の助教授として勤務し、1953年には教授に昇進します。彼の経歴は、学界だけでなく、教育機関においても豊かな実績を示しています。1962年には経済学博士を取得し、1965年には神戸大学経済学部長として組織の発展に寄与しました。

定年後の活動

1971年に定年退官した後、彼は神戸大学名誉教授の称号を受け、さらなる教育活動を続けました。その後、鉄鋼短期大学や近畿大学においても教鞭を執り、社会政策の重要性を説いて多くの学生に影響を与えました。1973年には法務省の司法試験考査委員としても活動し、1983年には社会政策学会の名誉会員に選出されました。さらに、1978年には勲三等旭日中綬章を受章し、2007年には叙正四位に叙されるなど、学術界での評価は非常に高いものでした。

著作と研究業績

山嵜は多くの著作を残しており、特に『社会保障制度』や『ヘンリー・ジョージの土地制度改革論』が知られています。これらの著作は、社会保障や土地問題に対する彼の考え方をよく示しています。具体的には、1955年に発表された『社会保障制度』では日本における社会保障の現状とその課題が取り上げられました。また、1972年に発表された『土地問題と土地政策』では、土地に関する政策の重要性が論じられています。

彼はまた、ヘンリー・ジョージの著作の翻訳にも取り組み、1990年には『保護貿易か自由貿易か』、1991年には『進歩と貧困』を日本語に訳しました。これにより、海外の理論を日本の読者に紹介し、土地制度に関する議論を深める役割を果たしました。

まとめ

山嵜義三郎は、日本の社会政策学者としての道を歩んだ数少ない学者の一人であり、その業績は今なお多くの人々に影響を与え続けています。その教えや研究は、今後も社会の発展に寄与するでしょう。

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