山形俊男

山形 俊男（やまがた としお）について

概要

山形俊男氏は、日本の著名な理学者であり、特に気候力学、海洋物理学、および地球流体力学における豊富な専門知識と業績で知られています。1948年に栃木県で生まれ、東京大学理学部を卒業後、長年にわたって日本国内外で多くの研究と教育に従事してきました。彼は第42代東京大学理学系研究科長および理学部長を歴任し、現在は東京大学名誉教授として活動しています。

研究業績

山形氏の研究は、海洋の渦や木星の大赤斑といった非線形現象を含む多岐にわたります。彼は1980年代初頭、エルニーニョ現象の基本的な発生メカニズムを世界に先駆けて提唱したことで国際的に評価されました。この発見は気候変動の理解に重要な影響を与え、彼は気候の自然変動に関する研究の第一人者として認識されています。

さらには、ダイポールモード現象や「エルニーニョもどき」といった気候パターンの発見と命名に寄与し、彼の研究は異常気象に対する理解を深める上で不可欠な役割を果たしています。これにより、彼の研究成果は国際的な気候学界でも高く評価されています。

学歴と職歴

山形氏は東京大学理学部地球物理学科を1971年に卒業、続いて1973年に修士課程を修了しました。博士課程は1975年に中退しましたが、1977年には東京大学より理学博士の学位を取得しました。彼の博士論文は「Geophysical fluid motions on a beta-plane」というタイトルで、流体力学の基礎的な理論を扱った内容です。

彼の職歴は、1975年には九州大学応用力学研究所で助手に就任し、その後助教授、そして教授として多くの大学で教鞭を執りました。また、1981年から1984年までプリンストン大学において客員研究員として海外でも経験を積みました。1994年から2009年には東京大学理学部地球惑星物理学科の教授を務めた後、2012年に独立行政法人海洋研究開発機構アプリケーションラボの所長に就任しました。

受賞歴

山形氏の研究活動は多くの賞を受賞しています。例えば、日本海洋学会岡田賞、日本気象学会学会賞、米国気象学会からのスヴェルドラップ金メダルなどがあります。特に、スヴェルドラップ金メダルは彼の海洋物理学や気候力学に対する貢献を称えるものであり、国際海洋物理科学協会からのアルベール1世メダルも、エルニーニョや南方振動の理解への彼の貢献を認めたものです。

栄典と役割

山形氏は2005年に紫綬褒章、2021年には瑞宝中綬章を受章しており、その研究と教育に対する貢献が広く認められています。また、彼は日本海洋政策学会、海洋政策研究所、海上保安庁水路部などさまざまな組織で重要な役職を務め、国内外の海洋研究や気候科学の進展に寄与しています。

結論

山形俊男氏は、気候力学と海洋物理学の分野での業績を通じて、気候変動の理解に対して大きな貢献を果たしてきた日本の重鎮です。彼の研究は、気候予測や自然災害の軽減に向けた重要な基盤となっており、今後の研究活動にも大いに期待されます。

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