山形明

山形 明の人物像とオウム真理教との関わり

人物経歴

山形 明（やまがた あきら）は、1984年に高校を卒業した後、陸上自衛隊に入隊しました。彼は千葉県の習志野駐屯地で、パラシュート降下やレンジャー訓練を受けるなど、過酷な軍事訓練を経験しました。その後、1987年に自衛隊を退隊し、自己成長や超能力に興味を持ち、軽い気持ちでオウム真理教へ入信します。この時期、彼は警備会社に勤務しながら中国拳法や空手の習得にも励みましたが、最終的には退職し、1989年12月に出家しました。

彼は教団の「建築班」に配属され、建設作業に従事しましたが、その過酷な労働環境に嫌気がさし、1990年5月と1993年10月に教団から脱走します。2回目に脱走した際、彼は都内の警備会社で身を隠しましたが、教団によって居場所が判明し、平田信との接触により再び教団生活に戻ることとなります。

教団内での活動

山形は、亀戸道場で麻原彰晃と直接対話し、自身の希望を伝えたところ、「給料を出すから教団内でセキュリティ関係の仕事をしてみてはどうか」と提案されます。これにより、月50万円を受け取ることとなり、「青龍隊」を組織して教団の軍事教官として訓練を担当することになりました。1994年には教団が省庁制を導入すると、自治省に配属され、麻原のボディーガードとしての役割を担うようになります。この時、彼は特別に「ガル・アニーカッタ・ムッタ」というホーリーネームを授かります。

事件への関与

教団内で起きた同僚の殺害事件など、教団の暗い側面を目の当たりにしながらも、山形は教団に留まっていました。しかし、次第に彼は井上嘉浩の指示の下で複数の事件に実行犯として関与することになります。特に、VX事件では、被害者にVXガスを用いた攻撃を行い、その結果、評価が上がり、師補に昇進することとなります。

また、教団の敵対者に対する攻撃にも関わり、自作自演のテロ事件にも従事しました。これらの行動は、彼が自衛隊で培った上官への従順さの影響もあったとされています。

逮捕と裁判

教団に対する強制捜査が行われ、井上嘉浩の国家への反撃計画に疑念を持った山形は、自らの身を守るため、弟の名義でパスポートを取得し、フランスに逃亡を試みます。しかし、すぐに帰国し、1995年5月4日に警視庁に自首を果たしました。

裁判では無期懲役を求刑されましたが、彼が自首したことが評価され、1997年2月に東京地方[[裁判所]]で懲役17年の判決を受けました。その後、控訴があり、懲役20年に増刑されましたが、上告はせず判決が確定しました。山形は、オウム真理教事件に関連する受刑者の中で、最も長い有期刑を受けた人物となりました。

その後の活動

2015年には、VX事件の裁判で証人として出廷し、2017年には刑期満了により出所しました。彼の人生は、オウム真理教に巻き込まれた多くの人々の運命を象徴するものとなっています。このように山形 明は、教団との関わりを通じて様々な事件に加担し、その後の人生に大きな影響を受けた人物として記憶されています。

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