山手線沿線私立大学図書館コンソーシアム

山手線沿線私立大学図書館コンソーシアム

（やまのてせんえんせんしりつだいがくとしょかんコンソーシアム）

概要

「山手線沿線私立大学図書館コンソーシアム」とは、JR山手線沿線に立地する複数の私立大学の図書館が、資料の相互利用などを通じて連携・協力するための協定に基づき運営されている組織です。この連携の目的は、加盟大学の学生や教職員に対し、所属大学に加えて他の加盟館の豊富な資料へのアクセス機会を提供し、学術研究や学習活動をより円滑に、かつ広範に行えるよう支援することにあります。

利用者にとってのメリット

このコンソーシアムに加盟している大学の学生は、日々の学習や研究活動において、主に以下のようなメリットを享受できます。

豊富な資料へのアクセス拡大

コンソーシアムに加盟する複数の大学図書館の蔵書全体が、利用可能な資料プールとなります。これにより、自身の大学図書館だけでは見つけられなかった専門分野の書籍や、特定の研究テーマに特化した資料など、より幅広い学術情報に触れる機会が得られ、研究の質を高める助けとなります。

蔵書検索システム（OPAC）の相互利用

加盟大学の図書館が持つオンライン蔵書目録（OPAC）は相互に利用可能です。これにより、利用者は自宅や大学のコンピュータから、他の加盟館の蔵書状況をまとめて検索し、目的の資料がどこに所蔵されているかなどを事前に確認できます。効率的な資料探しが可能になります。

地理的な利便性

「山手線沿線」という立地は、このコンソーシアムの大きな強みです。多くの加盟大学のキャンパスや図書館が山手線駅からアクセスしやすい場所に位置しているため、他大学の図書館へ移動し、直接資料を閲覧したり借りたりすることが比較的容易に行えます。

コンソーシアムの利用方法

他の加盟大学図書館を利用する際の基本的な手順は以下の通りです。

入館方法

共通のコンソーシアム専用入館証はありません。利用したい加盟大学図書館の受付で、ご自身の所属する加盟大学の学生証を提示してください。これにより、入館が許可されます。

館内での利用

入館後は、館内の開架資料などを自由に閲覧できます。学習スペースの利用ルールは各館で異なる場合がありますので、ご確認ください。

資料の貸出

資料を借りることを希望する場合、利用先の大学図書館の窓口で「山手線沿線私立大学図書館コンソーシアム利用」のための貸出カードを無料で作成する必要があります。一度作成すれば、その図書館での貸出が可能となります。ただし、貸出可能な資料の種類や冊数、期間などの条件は、利用先の図書館の規定に従います。

利用上の注意点

他の加盟館を利用するにあたっては、いくつかの重要な注意点があります。

利用規則への準拠

貸出や館内利用に関する規則は、所属大学の図書館とは異なる場合があります。利用する大学図書館の規定を事前に確認し、それに従うことが不可欠です。

定期試験期間中の利用制限

最も重要な注意点は、各加盟大学の定期試験期間中（主に7月頃と1月頃）は、原則として他大学の学生の図書館利用が厳しく制限されるか、全く利用できなくなることです。これは、自大学の学生が試験準備のために図書館施設や資料を優先的に利用できるようにするための措置です。試験期間は大学によって異なるため、必ず訪問前に利用したい大学図書館のウェブサイトなどで最新の情報を確認してください。

その他のサービス利用

文献複写サービスや特定のデータベースへのアクセスなど、図書館が提供する一部のサービスについては、他大学の学生に対する利用範囲や条件が個別に定められている場合があります。

大学側のメリット

このコンソーシアムは、利用者である学生だけでなく、加盟する大学図書館側にもいくつかの利点をもたらしています。

共同での資料収集

特に学術雑誌などについて、加盟館間で分担して収集する取り組みが行われています。これにより、重複購入を減らし、予算や物理的な所蔵スペースの負担を軽減しつつ、コンソーシアム全体としてはより幅広い分野の資料を効率的に収集・提供することが可能となっています。

加盟大学一覧

（2024年現在の主な加盟大学）

青山学院大学
学習院大学
國學院大學
専修大学
東洋大学
法政大学
明治大学
明治学院大学
* 立教大学

まとめ

山手線沿線私立大学図書館コンソーシアムは、地理的な近接性と連携を活かし、加盟大学の学生や研究者に対し、利用可能な資料の範囲を大きく広げることで、学習・研究活動を強力にサポートする枠組みです。利用者は、各館のルールや注意点を理解し、適切に活用することが求められます。

もう一度検索