山本 (宝塚市)

山本地区：歴史と伝統が息づく宝塚の植木産地

兵庫県宝塚市に位置する山本地区は、古くから続く植木・花卉栽培で知られる、全国三大植木産地のひとつです。7つの小地区（山本台、山本西、山本中、山本南、山本東、山本丸橋、山本野里）から構成され、それぞれに独特の雰囲気を醸し出しています。

約1000年の歴史と接ぎ木の技術

山本地区での植木栽培の歴史は古く、平安時代まで遡ります。約1000年前から続く伝統を受け継ぎ、16世紀後半には、坂上頼泰公（木接太夫）による接ぎ木技術の発明が大きな転換点となりました。この技術は、豊臣秀吉にも認められ、頼泰公は「木接太夫」の称号を授与されました。頼泰公は、2017年には宝塚市特別名誉市民にも選ばれ、その功績は現在も高く評価されています。

江戸時代には、接ぎ木技術を活かした牡丹の生産が盛んになり、杉や檜などの山林苗の栽培も進みました。明治時代には蘭やバラの栽培が始まり、大正時代には庭園樹の造園が広く行われるようになりました。

昭和初期から戦後にかけての隆盛と発展

昭和初期には、海外から多くの園芸品種が導入され、山本地区ではそれらの品種の試作と商品化が積極的に行われました。通信販売も活用することで、全国への販売網を構築。同時に造園需要も高まり、様々な業種の組合が設立され、植木市や品評会も開催されるなど、活況を呈しました。海外との輸出入も盛んになり、山本地区は植木栽培の全盛期を迎えます。

戦争による壊滅的な被害を乗り越え、戦後には戦前を上回るほどの盛況を取り戻し、現在に至るまで、その伝統と技術は脈々と受け継がれています。

地理と交通

山本地区は、宝塚市内に位置し、阪急宝塚線山本駅（平井）が最寄りの駅です。国道176号線も通っており、交通アクセスも良好です。地区内には、あいあいパーク、宝塚市立東公民館などの公共施設、陽春園などの園芸店、松尾神社などがあります。

山本地区の各小地区

山本地区を構成する7つの小地区（山本台、山本西、山本中、山本南、山本東、山本丸橋、山本野里）は、それぞれ丁目が設定されています。山本台、山本西、山本中、山本南、山本野里は一丁目から三丁目まで、山本東は一丁目から五丁目まで、山本丸橋は一丁目から四丁目まであります。それぞれの地区には、郵便番号も割り当てられています。

まとめ

山本地区は、歴史と伝統、そして革新的な技術が融合した、まさに宝塚を代表する地域です。約1000年の歴史を持つ植木栽培は、現在も発展を続け、全国、そして世界にその名を知られています。これからも、その伝統と技術を守り続け、発展していくことでしょう。

※世帯数と人口、小中学校の学区については、情報が提供されていませんでした。

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