山本昭宏

山本昭宏

山本昭宏（1984年 - ）は、日本の歴史学研究者であり、神戸市外国語大学総合文化コースの准教授を務めています。専門は日本近現代史、現代文化学、メディア文化史です。

来歴・人物

奈良県に生まれ、東大寺学園高等学校を卒業。京都大学文学部を卒業後、2012年に同大学院文学研究科現代文化学専攻二十世紀学専修博士後期課程を修了し、「『被爆の記憶』と『原子力の夢』 核エネルギー言説の戦後史1945-1960」で文学博士の学位を取得しました。

中学時代からの大江健三郎への関心をきっかけに核問題に関心を抱き、戦後日本における核の受容について、映画や漫画といったポピュラーカルチャーを通して研究しています。例えば、2021年8月には、テレビアニメ『ゴジラ S.P ＜シンギュラポイント＞』が過去のゴジラシリーズとは異なり、核と直接的な関係がない点について考察しています。

2022年のロシアによるウクライナ侵攻におけるウクライナの徹底抗戦や、それに対する即時停戦を求める日本国内の議論に関して、朝日新聞の取材に対し、自身の見解を述べています。山本氏は、ロシアの侵略行為は明白に非難されるべきであるとした上で、ウクライナの徹底抗戦の姿勢には理解を示す一方で、戦争経験者が多く生存していれば、ゼレンスキー大統領に対する異なる意見も表明される可能性があったのではないかと指摘しています。具体的には、戦争体験に基づき「いかなる理由があっても国家によって人殺しをさせられるのは嫌だ」という思想を持つ人々であれば、プーチン大統領のみならず、国民に徹底抗戦を命じるゼレンスキー大統領も批判の対象となり得ると述べています。

著書

単著

『核エネルギー言説の戦後史 1945～1960：「被爆の記憶」と「原子力の夢」』人文書院、2012年6月。ISBN 978-4-409-24094-6。
『核と日本人 ヒロシマ・ゴジラ・フクシマ』中央公論新社〈中公新書〉、2015年1月。ISBN 978-4-12-102301-8。
『教養としての戦後〈平和論〉』イースト・プレス、2016年8月。ISBN 978-4-7816-1464-9。
『大江健三郎とその時代 「戦後」に選ばれた小説家』人文書院、2019年9月。ISBN 978-4-409-52079-6。
『戦後民主主義 現代日本を創った思想と文化』中央公論新社〈中公新書〉、2021年1月。ISBN 978-4-12-102627-9。
『原子力の精神史 〈核〉と日本の現在地』集英社〈集英社新書〉、2021年2月。ISBN 978-4-08-721157-3。
『残されたものたちの戦後日本表現史』青土社、2023年2月。ISBN 978-4791775385。

共著

高井昌吏編『「反戦」と「好戦」のポピュラー・カルチャー』（人文書院 2011年）
野上元・福間良明編『戦争の社会学ブックガイド』（創元社 2012年）
福間良明・山口誠・吉村和真編『複数の「ヒロシマ」』（青弓社 2012年）

編著

藤間生大著, 磯前順一共編『希望の歴史学 藤間生大著作論集』（ぺりかん社 2018年）
『近頃なぜか岡本喜八 反戦の技法、娯楽の思想』（みずき書林 2020年）
磯前順一・吉村智博・浅居明彦監修, 上村静・苅田真治・川村覚文・関口寛・寺戸淳子・山本昭宏編『差別の構造と国民国家　宗教と公共性【シリーズ宗教と差別 第１巻】』（法藏館 2021年）

翻訳

スペンサー・R・ワート『核の恐怖全史』（人文書院 2017年）

関連項目

杉本淑彦
永井和
福間良明

外部リンク

神戸市外国語大学教員紹介ページ
* 山本 昭宏 (Akihiro Yamamoto) - マイポータル - researchmap

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