山本秀樹 (内野手)

山本 秀樹（やまもと ひでき）

1955年1月2日生まれ。アマチュア野球の舞台で選手として、そして指導者としてその名を刻んだ人物です。主に内野手としてプレーしました。

球歴

関商工高校に進学し、1971年秋には中部大会県予選の決勝リーグへと駒を進めましたが、惜しくも3位という成績に終わりました。高校卒業後は名城大学へ進み、愛知大学野球リーグに所属。大学野球生活のハイライトとして、1975年秋季リーグでの優勝に貢献しました。

社会人野球での輝かしいキャリア

大学を卒業後、社会人野球の強豪、大昭和製紙に入社しました。1977年には都市対抗野球大会に初めて出場。この大会の1回戦、電電中国との対戦では、9回裏に持ち前の俊足を活かして、劇的なサヨナラホームスチールを成功させ、チームを勝利に導きました。1979年の都市対抗では準々決勝まで進出。日産自動車に敗れはしたものの、その打撃力が認められ打撃賞を獲得。同年の社会人野球ベストナインにも内野手として選ばれるなど、この頃にはチームの主力選手としての地位を確立していました。そして1980年、エース杉本正投手の好投もあり、決勝で札幌トヨペットを圧倒し、チームは都市対抗初優勝を飾りました。

移籍と新たな栄光

1981年、大昭和製紙硬式野球部が活動を休止することになり、ヤマハ発動機へと活躍の場を移しました。新しいチームでもその実力を遺憾なく発揮。1982年の社会人野球日本選手権大会では、決勝で辻発彦選手らを擁する日本通運と対戦し、これを破ってチームを初の日本一へと導きました。この大会での優れたパフォーマンスに対し、優秀選手賞が贈られています。しかし、ヤマハ発動機野球部も1983年に休部となり、再びチームを移籍。今度は日本楽器へと加入しました。

日本楽器でも引き続き中心選手として活躍。都市対抗野球大会には継続して出場を続け、1986年には出場10年の節目を迎え、連続出場表彰を受けました。引退するまでには、実に15年連続での都市対抗出場という偉業を達成しています。1987年の都市対抗でも再び打撃賞を獲得するなど、円熟期に入ってもその打撃センスは衰えを見せませんでした。また、社会人ベストナインにも、1979年に加えて1985年、そして1990年と複数回選出されており、長期間にわたってトップレベルの選手であり続けたことが証明されています。

指導者として

選手としての長いキャリアを終えた後は、ヤマハ（日本楽器がヤマハに社名変更）の監督として後進の指導にあたりました。選手時代に培った豊富な経験と知識を若い選手たちに伝え、チーム強化に尽力しました。

山本秀樹氏は、その類まれな俊足と巧みな打撃で社会人野球界に多くの功績を残し、二つの全国大会優勝の立役者の一人となりました。選手として輝かしい足跡を残した後、指導者としてもチームを率いるなど、アマチュア野球界において多大な貢献をした人物と言えるでしょう。

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