山本竟山

山本竟山について

山本竟山（やまもと きょうざん）は、近代日本の書道において際立った存在感を放つ書家であり、その生涯は1863年11月9日に始まり、1934年1月24日に終わりました。岐阜県岐阜市出身の彼は、名を由定とし、竟山や聾鳳と号していました。

書の道を歩み始める

彼が書の道を選んだのは、日下部鳴鶴に師事したことから始まります。この道を選ぶことで、彼は書道の深淵に踏み込むこととなり、その後の人生において重要な影響を与える師との出会いを果たしました。

中国での学びと研鑽

明治35年（1902年）、山本竟山は憧れの書家、楊守敬を求めて清国に渡ります。この渡航は、単なる宗教的な旅ではなく、彼の書道家としての人生を大きく変えるものでした。彼は、その後の7回にわたり中国を訪れ、楊守敬だけでなく呉昌碩、顧麟士といった著名な書家たちと交流し、書法の研鑽に努めました。

この交流の中で得た知識や技術は、後に日本に持ち帰られ、多くの法帖や碑版が日本の書道界に新たな風を吹き込みました。特に、古典を学ぶ姿勢が強調され、彼が常に古典の臨書を通じて技術を磨き続けたことは彼の書道人生の特徴の一つでした。

教育者としての役割

明治時代の末に京都へ転居した山本竟山は、書の指導者としても活躍し、多くの弟子たちを育成しました。彼の教えは関西の書壇に広がり、新たな書風を形成していく上で大きな役割を果たしました。山本は弟子たちに、個性を大切にし、創造性や自主性を持った書を書くことの重要性を説いていました。

王羲之の影響

彼の作品の中でも特に王羲之の『蘭亭序』を好み、頻繁に臨書していたことは特筆に値します。この作品は書道の頂点とも言えるものであり、彼が王羲之から受けた影響は、その技術や感性に強く表れています。

結び

山本竟山の業績は、ただ単に書道の技術に留まらず、彼が教育し広めた書の精神にも大きな影響を与えました。彼の作品や教育に触れた人々は、今日でも彼の教えを受け継ぎ、さらなる書道の発展に寄与しています。近代日本の書家として、山本竟山は忘れられない存在であり、その足跡は今も多くの書家たちに影響を及ぼし続けています。

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