山本美憂

山本美憂（やまもと みゆう）

山本美憂は1974年8月4日生まれの日本出身の女子レスリング選手および総合格闘家です。彼女は神奈川県出身で、2015年にはカナダ国籍を取得しました。彼女はレスリングの世界選手権で3度優勝し（うち2階級制覇）、全日本選手権でも8度優勝しています。彼女の父である山本郁榮はミュンヘンオリンピックのレスリング代表選手であり、彼の英才教育を受ける中で美憂は13歳で日本一になり、日本女子レスリング界の初期の中心的人物となりました。

来歴

美憂は、弟の山本“KID”徳郁や妹の山本聖子と共に、幼少期からレスリングの訓練を受けていました。13歳の時には第1回全日本女子選手権で優勝し、その後は全日本選手権で4連覇を達成します。ですが、年齢制限により世界選手権への出場は許可されませんでした。1991年には史上最年少で世界選手権に出場し、17歳で優勝を果たしました。

その後、アメリカに留学しますが、当時の全米レスリング協会により女子レスリングが認められていなかったため、男子レスリング部で活動することになります。ここでの経験を通じて、男子選手との試合を数多くこなしました。1994年、50kg級で全日本女子選手権において優勝し、さらに1994年と1995年には世界選手権で連続優勝を果たします。1995年にはJリーグ・浦和レッズの池田伸康と結婚し、その後現役を引退。2000年には格闘家・エンセン井上と再婚し、再び現役を引退します。

その後も山本は何度かの現役復帰を果たし、2004年にはアテネオリンピック出場を目指しましたが、選考試合で3位に終わり、オリンピック出場は実現しませんでした。2006年に佐々木明と結婚し、子供も生まれた後、再びレスリング界に戻ります。

総合格闘技におけるキャリア

山本は2016年に総合格闘技への転身を決意し、RIZINに参戦します。これまでのレッスリングを基礎に、総合格闘家としての進化を遂げます。特に2018年には、石岡沙織との試合で圧倒的なパフォーマンスを披露し、キャリアの中で重要な勝利をおさめます。また、2020年にはアメリカの老舗メディアサイトSHERDOGの世界女子アトム級ランキングで4位にランクインしました。

2019年から2022年にかけて彼の成績は高く、複数の試合で勝利を収めてきましたが、最終的には2023年12月31日の引退試合で、世界ランク1位の伊澤星花との対戦を最後に総合格闘技から引退することを選びました。この試合後には多くのファンと共に彼女のキャリアを祝うセレモニーが行われました。

人物背景とエピソード

「美憂」という名前は、父親がオリンピック開催地のミュンヘンに因んで名付けたと語られています。彼女の長男アーセンもレスリングを習っており、若い頃から彼女の家族はスポーツに熱心に取り組んできました。自身の経験を活かしてスポーツキャスターとしても活躍しており、キッズレスリングの指導にも力を注いでいます。

美憂は沖縄を「第二の故郷」としており、気さくで多様な人格を持つ彼女は、親しい関係のある選手や指導者たちとともにスポーツ界を盛り上げています。さまざまなチャレンジを通して成長し続ける山本美憂の人生は、多くの人々のインスピレーションとなるでしょう。

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