山本逸平

山本逸平

概要

山本逸平（やまもと いっぺい）は、1992年2月13日生まれ、東京都出身の日本のラグビー選手である。主にスクラムハーフ（SH）およびフルバック（FB）のポジションを務め、ジャパンラグビーリーグワンに所属する三菱重工相模原ダイナボアーズでプレーしている。

経歴

山本がラグビー競技を始めたのは高校時代からである。東京都内の目黒学院高等学校に進学し、同校のラグビー部で選手としてのキャリアをスタートさせた。高校卒業後、2010年に拓殖大学に入学。大学でもラグビー部に所属し、トップレベルを目指して技術を磨いた。大学時代の同期には、後に日本代表としても活躍するヘルウヴェがいた。4年間の大学生活を終え、2014年に拓殖大学を卒業した山本は、実業団チームである三菱重工相模原ダイナボアーズに加入する。チームへの合流後、すぐさま戦力として期待され、同年9月13日に行われたトップイーストリーグDiv.1の第1節、東京ガスとの試合に先発メンバーとして出場し、これが自身にとって記念すべき公式戦初出場記録となった。目黒学院高校時代の同級生には、同じくラグビー選手として活躍する植村健太郎がいる。

選手としての特徴

身長172cm、体重68kgという体格でありながら、フィールドを縦横無尽に走り回り、攻守にわたってチームに貢献する。スクラムハーフとしては素早いパス出しとゲームコントロール、フルバックとしては最後の砦としての守備力やカウンターアタックの起点となる能力が求められるが、山本はこれらの異なる役割を高いレベルでこなすユーティリティ性を備えている。

アンチ・ドーピング規則違反と資格停止

2021年12月、山本はアンチ・ドーピング規則に関連する問題に直面した。同年12月13日に実施された競技会外検査において、採取された尿検体から禁止物質である「エノボサルム（オスタリン）」が検出されたのである。この物質は、筋肉増強効果などが疑われる選択的アンドロゲン受容体修飾物質（SARM）の一種であり、スポーツ界では禁止されている。日本アンチ・ドーピング機構（JADA）による調査の結果、山本による禁止物質の摂取は、本人の「意図しない摂取」であったと判断された。しかし、規則違反の事実は確定し、山本に対して5ヶ月間の資格停止処分が科された。この処分は、検体採取日と同日の2021年12月23日から正式に開始された。資格停止期間中は、公式戦への出場はもちろん、チーム練習への参加など、あらゆるラグビー活動が制限されることとなった。この期間を経て、山本は処分明けにチームに復帰し、再びプレーを続けている。

現在

資格停止という困難な時期を乗り越え、山本逸平は現在も三菱重工相模原ダイナボアーズの選手として、ラグビーに取り組んでいる。リーグワンの舞台で、かつて培ったスキルと経験を活かし、チームの勝利に貢献することを目指している。

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