山本集

山本 集（やまもと あつむ）

1940年7月15日、奈良県五條市で生まれた山本集は、異色の経歴を持つ日本の画家として知られています。彼は板前、野球監督、さらにはヤクザの組長としての役割を経験し、最終的には芸術の道に進むこととなります。

来歴・人物

山本は浪華商業高校で野球部に所属し、同級生には名選手の張本勲がいました。卒業後、様々な職を経て板前としての道を歩み始めます。わずか1週間の修行期間で店長に任命されるなど、その才能を早くから発揮しました。1965年には智辯学園高校の野球部の初代監督に就任し、短期間で強豪チームを作るものの、過度な指導方法が問題視され、1年半後には退任することになりました。退任後、智辯学園は2年後に甲子園初出場を果たすことになります。

1967年には関西のヤクザ組織である諏訪一家に加入し、1970年には30歳で山本組を設立し、組長としての地位を得ます。彼は関西の武闘派として名を馳せる一方で、組織内部の変化から自己の立ち位置を見失い、ヤクザの世界からの引退を決意します。1989年、友人の実業家からの助言を受けて山本組を解散し、その後は絵画活動に専念しました。

彼が好んで描いたのは、富士山などの自然を題材にした作品で、代表作『雄渾』は関西国際空港の正面玄関に展示されています。この作品は彼の芸術家としてのキャリアの一つの成果です。

映画製作と私生活

2003年からは「DVシネマ大賞」のプロデュースを手がけ、関連する映画の製作にも関与しました。同年には田代まさし監督の作品が受賞するなど、映画界でもその活動が評価されました。また、2007年には毎日新聞元記者とのトラブルが報じられ、その内容が波紋を呼ぶこともありました。

死去

2011年12月16日、膀胱癌により71歳でこの世を去りました。絵画だけでなく、野球監督やヤクザ組長としての異色な人生が、彼の人物像をより一層魅力的にしています。

著書

山本は自身の経験を元にした書籍も多く執筆しています。代表的な著書には、次のような作品があります。

• - 『男前 山本集の激闘流儀』（1992年、南風社）
• - 『勝ち薬 まだ間に合う勝利への一服』（1999年、南風社）
• - 『浪商のヤマモトじゃ!』（2002年、南風社）
• - 『忠』（2003年、毎日新聞社）
• - 『男前 泣いて笑って泥まみれ』（2004年、マガジンハウス）

関連書籍と映画

彼に関する書籍や映画も数多く存在しています。特に『浪商のヤマモトじゃ!』や『実録･なにわ山本組』など、彼の生涯を描いた作品は多く、様々なメディアで取り上げられています。彼の人生は、日本の文化や歴史の一部を垣間見る特異な事例として、今も多くの人々に影響を与えています。

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