山根赤鬼

山根赤鬼：温かみのあるギャグで魅せた漫画家

山根赤鬼（やまね あかおに）は、1935年8月16日に生まれ、2003年6月24日に没した日本の漫画家です。本名を山根孝（やまね たかし）といい、別名義として山根あかおにの名も用いました。彼は、『のらくろ』で知られる田河水泡に師事し、その影響を受けながらも、独自の作風を確立しました。東京都で生まれ、富山県下新川郡朝日町で育った山根赤鬼は、兄である山根青鬼と共に漫画家として活動しました。

来歴と作風

山根赤鬼は、兄の山根青鬼と共同で執筆活動を行うこともありましたが、その作風は兄のスラップスティックなものとは異なり、温かくユーモラスなギャグが特徴でした。彼の描くキャラクターたちは愛らしく、読者に親しみやすさを感じさせました。1989年には、師である田河水泡から『のらくろ』の漫画執筆権を譲り受け、田河の没後もその作品を描き続けました。

略歴

1949年 - 『北日坊や』でデビュー（山根青鬼と交代執筆）。
1950年 - 田河水泡に師事。
1988年 - 『まんが5・7・5』で日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。
2003年6月24日 - 大腸癌のため死去。67歳没。

主な作品

山根赤鬼は数多くの作品を手がけました。以下に代表的なものをいくつか紹介します。

北日坊や（1949年、北日本少年新聞、山根青鬼と交代執筆）：デビュー作。
よたろうくん（1956年-1968年、少年クラブ・ぼくら、講談社）：山根赤鬼の代表作の一つ。主人公のよたろうくんの日常を描いたユーモラスな作品。
かのこちゃん（なかよし、講談社、鈴木みちを原作）：少女漫画。
王くん（1963年、おもしろブック、集英社）
てなもんや三度笠（なかよし、講談社）
けいれい!しんぺいくん（少年ブック 1964年頃） - 山根青鬼との合作。
丸井せん平（1965年-1970年代後半、希望の友、潮出版社）
団古やる代（1966年、希望ライフ、潮出版社）
なぞッとパッ子（1967年、小学三年生4月号・5月号・7月号・11月号付録、小学館、木乃美光案）
じんべえくん（1969年、COM、虫プロ商事）
なぞ形平次とりもの帳（1969年、毎日小学生新聞、毎日新聞社）
大岡越前守（1970年、講談社）
一休さん（1970年、講談社）
くまたん（1973年-1974年、2年の学習、学習研究社）
かばどんとなおみちゃん（1975年-1985年、1-3年の学習・少年チャレンジ、学習研究社）：学年誌に掲載された人気作品。
どんドコどん（1981年-1982年、コミックボンボン、講談社）
まんが5・7・5（ポプラ社）：日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。
山根青鬼・赤鬼漫画道中記（1989年、草の根出版会、山根青鬼との共著）
ドクターのらくろ奮戦記（1992年、経済調査会、金田武彦監修）：『のらくろ』を題材にした作品。
のらくろの川柳まんが（1998年、あゆみ出版）
* のらくろちゃん（2001年-2003年、漫画新聞、日本漫画学院、山根青鬼と交代執筆）：晩年の作品。

山根赤鬼の作品は、子供から大人まで幅広い世代に愛され、日本の漫画史にその名を刻んでいます。彼の温かい作風は、多くの人々に笑顔と感動を与え続けました。

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