山梨日日新聞

山梨日日新聞について

山梨日日新聞（やまなしにちにちしんぶん）は、株式会社山梨日日新聞社が発行する山梨県の主要な地域新聞です。略称としては「山日」（さんにち）や「山日新聞」（さんにちしんぶん）が用いられています。本新聞の特徴は、その高い購読率で、山梨県内での購読者は公称約70%とされています。この新聞は、視覚的にも特徴的で、題字には「新」という文字の本字を使用しており、さらにテレビ番組表は「山日テレビガイド」として別冊で提供されています。

歴史

山梨日日新聞は、1872年7月1日に創刊されました。この新聞は、県令土肥実匡の命を受けた内藤伝右衛門により、「峡中新聞」として誕生しました。当初は県庁公開の広報誌として木版印刷で不定期に発行されていましたが、その後、発行権が譲渡され、「甲府新聞」と改称されます。さらに1876年には、「甲府日日新聞」と変わり、管理権を持った野口英夫が経営に参画し、社内改革が行われました。

新聞は、しばしば発行停止に直面したこともありますが、有志の支援を受けながらその運営を続けました。1881年には現題字へと変更され、その後は1900年代初頭にかけて発行部数が増加。昭和初期には他紙に苦境を強いられることもありましたが、新聞の社長であった野口二郎は文化的な活動にも積極的に取り組みました。具体的には、郷土研究や文芸評価などを新聞紙上にて行い、地域文化の発展に貢献しました。

この数十年のうちに新聞統制が行われた中で、1940年代に他の地方紙との統合が進められました。最も重要な出来事は1945年の甲府空襲で、社屋と印刷所が焼失し、発行に大きな影響を受けました。しかし、終戦後は疎開していた輪転機を使用し、復帰を果たし、その後再び発行を続けていきました。1967年には富士急行が大株主になり、その年の選挙をきっかけに大株主からの経営権を獲得しました。今日では、山梨日日新聞は県内の日刊紙としての独占的な地位を保持しています。

現代の取り組み

最近では、2007年に社説の盗用問題が発覚し、新聞社としての信頼性が問われる出来事があったものの、以降も読者からの支持を得ながら情報提供を続けています。また、2019年12月には累計で50000号を発行するという偉業も成し遂げました。2022年には創刊から150周年を迎え、歴史ある新聞として新たなスタートを切っています。

本社および支社

山梨日日新聞社の本社は山梨県甲府市に位置し、地域に密着した事業展開をしています。また、富士吉田市や東京都、さらには大阪や静岡、長野にも支社を構えており、多様なニュース提供を行っています。特に本社と関連会社である山梨放送は、笛吹市にある印刷工場をはじめ、地域社会と深く結びついています。

各種サービス

山梨日日新聞は、紙面に加えて電子版も提供しており、県内ニュースをタイムリーに届ける努力をしています。特に、テレビ・ラジオガイドなど、視聴者のニーズに応じた情報提供も行っており、県内のメディアと連携したコンテンツを充実させているのが特徴です。近年ではウェブサイトのリニューアルや携帯向けニュースサービスも拡充しており、デジタル時代に即した情報提供を進めています。

山梨日日新聞は、山梨県内の多様な情報源として、地域住民の生活に密接に関わる存在であり続けています。

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