野口英夫

野口英夫（のぐち えいふ、1856年10月1日 - 1922年2月20日）は、明治から大正にかけて活躍した日本の実業家であり、政治家です。彼は山梨日日新聞の社長として経営手腕を発揮する傍ら、山梨県会議員、甲府市会議員を歴任し、地域社会の発展に尽力しました。野口の足跡を辿ります。

生い立ちと教育

野口英夫は、安政3年9月3日（1856年10月1日）に徳島県板野郡大山村（現在の徳島県上板町）で、野口亀之助の四男として生を受けました。兄に野口惣十郎がいます。幼少期には、徳島の著名な儒学者である橋本晩翠の門下で学び、学問の基礎を築きました。その後、上京し同人社に入り、中村正直や栗本鋤雲らに師事して漢学と英語を修め、幅広い知識と教養を身につけました。

ジャーナリスト、政治家としての活躍

1879年、野口は甲府日日新聞の主筆に就任し、ジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせました。1884年には山梨県会議員に初当選し、その後4期にわたり県政に携わりました。1885年には分家し一家を創立。1890年には甲府市会議員にも当選し、1899年1月16日から1900年1月6日まで甲府市会議長を務めました。山梨県甲府市百石町に居を構え、地域社会に深く根ざした活動を展開しました。

家族

野口家は、妻いし（1863年 - ?、山梨県出身、塩見安兵衛の長女）との間に、長男虎吉（1890年 - ?、上海三井物産会社肥料部主任）、二男二郎（1900年 - 1976年、甲府市長、山梨放送会長、山梨日日新聞会長）、長女ゆき（1880年 - ?、太田秀穂の妻。太田は元山梨県師範学校校長）、二女ふみ（1888年 - ?、工学博士浅川権八の妻）をもうけました。二男の二郎は、後に甲府市長や山梨放送会長、山梨日日新聞会長を歴任し、父の遺志を継ぎ地域社会の発展に貢献しました。

参考文献

『日本現今人名辞典』日本現今人名辞典発行所、1903年。
人事興信所編『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年。
人事興信所編『人事興信録 第5版』人事興信所、1918年。
『山梨人事興信録』甲府興信所、1918年。
人事興信所編『人事興信録 第6版』人事興信所、1921年。
甲府興信所編『山梨人事興信録』甲府興信所、1928年。

野口英夫は、激動の時代にジャーナリスト、政治家として活躍し、山梨県の発展に大きく貢献しました。彼の多岐にわたる活動は、地域社会に多大な影響を与え、その功績は今日でも語り継がれています。

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