山梨県道701号富士上吉田線

山梨県道701号富士上吉田線

山梨県道701号富士上吉田線は、山梨県富士吉田市に位置する一般県道です。この道路は、富士登山の歴史的なルートである吉田口登山道と密接に結びついており、その一部区間は登山道と並行しています。起点は富士山頂（標高3715m）であり、都道府県道としては日本一標高の高い場所に位置しています。

概要

この県道は、富士山吉田口登山道の一部を道路化したもので、北口本宮富士浅間神社の近くから始まり、馬返しまでは自動車での通行が可能です。馬返しより先は徒歩のみの登山道となります。かつては富士登山において重要な役割を担っていましたが、現在はその役割を終え、歴史を語る道となっています。

路線データ

起点：山梨県富士吉田市富士山頂（都道府県道として日本一標高が高い3715m）
終点：山梨県富士吉田市上吉田（浅間神社東交差点＝国道138号交点）
通過する自治体：山梨県富士吉田市

交差・接続する道路

静岡県道150号足柄停車場富士公園線（山梨県富士吉田市、重複区間：山頂 - 本八合目間）
国道138号（富士吉田市上吉田・浅間神社東交差点）

かつては「山梨県道702号富士精進線」と接続していましたが、富士山の安全対策のために一部区間の県道指定が取り消されました。

歴史

現在の県道の前身である吉田口登山道は、江戸時代から富士登山の主要ルートとして利用されてきました。一合目手前の馬返しまでは馬での移動が可能で、そこから先は徒歩で山頂を目指しました。

明治時代に入ると、1890年には荷積馬車、1893年には軽便馬車が登場し、登山客の輸送に利用されました。これらの輸送業者は富士北口乗物組合という業界団体を結成していました。

1913年には、当時の福地村から山梨県に対し、この道を県道として整備する要望が出されました。1927年には自動車輸送の計画が持ち上がり、1931年には富士北口乗物組合の組合員が株主となって富士山自動車株式会社が設立され、馬返しまで自動車で通行できる道路が建設されました。この道路は浅間神社 - 馬返線（富士山自動車道）と呼ばれ、全長7272メートルの専用自動車道として、同社がバスを運行していました。

しかし、1964年に富士スバルラインが開通すると、吉田口を利用する登山客は激減し、1970年頃には吉田口からの登山者はほとんどいなくなってしまいました。

周辺施設

富士北麓公園
北口本宮富士浅間神社

関連項目

山梨県の県道一覧

参考文献

富士吉田市史編さん委員会『富士吉田市史』行政編上巻、富士吉田市、1979年。
富士吉田市史編さん委員会『富士吉田市史』史料編第6巻（近・現代1）、富士吉田市、1993年。

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