山河燃ゆ

大河ドラマ『山河燃ゆ』

概要

『山河燃ゆ』は、1984年の1月から12月まで放送されたNHKの大河ドラマで、シリーズ第22作目です。このドラマの主演は九代目松本幸四郎で、副題は「祖国は緑なる山河 あたたかくもやさしき母なる大地」です。原作は山崎豊子による小説『二つの祖国』です。

企画と制作の背景

本作は、NHKの大河ドラマとして初めて第二次世界大戦をテーマにした作品であり、近代大河3部作の第一作となります。日系人への誤解を避けるため、タイトルは原作から変更されました。放送後、アメリカの日系人社会から抗議があり、アメリカでの放送は中止となりました。タイトルのデザインやオープニングのフォーマットも従来のものとは異なり、初めて横書きが用いられました。また、実際に存命である歴史的人物が登場人物として描かれるのも、このドラマが初めてのケースです。

放送期間中には総集編が放送されており、そのナレーションは和田篤アナウンサーによって行われます。このドラマの平均視聴率は21.1%、最高視聴率は30.5%という高い数字を記録しました。

原作との相違点

原作とドラマにはいくつかの相違点があります。原作では日系人の強制収容や東京裁判を主軸に物語が展開されますが、ドラマでは1936年の二・二六事件を含む日本の戦前の様子が描かれています。主人公天羽賢治の自殺する理由も、原作とドラマで異なる点があり、恋人や結婚に関する出来事の描かれ方も異なります。また、主要なキャラクターの経歴や性格が異なる部分も多いです。特に、東京裁判に関する描写は、原作に比べてかなり簡略化されています。

主要な登場人物

天羽賢治

松本幸四郎が演じる天羽賢治は、日系2世の主人公です。アメリカ出身で日本で教育を受け、帰国後に新聞社に勤めます。しかし、FBIに逮捕され日系人収容所に送られ、最終的に賢治は戦争の責任を感じて自殺する道を選びます。

天羽忠

西田敏行が演じる賢治の弟、天羽忠は日本に親近感を抱く日系2世です。賢治の考えと反発しつつも家族や友人を大切に思っています。忠は戦後、賢治と一緒に商会を開き、成功を収めます。

主要キャスト

さらなるキャストには、賢治の妻であるエミー役の多岐川裕美、賢治の友人であるチャーリー田宮役の沢田研二などが含まれ、彼らの人生と苦悩がリアルに描かれています。

主要な舞台や事件

本作では、1930年代から戦後にかけての日系人の生活を描いています。銀座の喫茶店「リラ」や、ロサンゼルスの日系人街「リトル・トーキョー」、カリフォルニアの日系人収容所「マンザナール収容所」などが主要な舞台となっており、二・二六事件や日米開戦といった歴史的な事件も重要な要素として描かれています。

結論

『山河燃ゆ』は、日系アメリカ人の人生と苦悩を真摯に描いた作品で、戦争の影響がどのように人々の生活を変えたのかを考えさせられる内容となっています。このドラマを通じて、視聴者は歴史の深い部分に触れることができるでしょう。

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