山王パークタワー

山王パークタワー：官邸近くにそびえる超高層複合施設

山王パークタワーは、東京都千代田区永田町に建つ超高層ビルディングです。かつて東京を代表するホテルとして知られた山王ホテルの跡地に建設され、2000年2月に開業しました。外堀通りに面し、赤坂側には日枝神社、溜池側には総理大臣官邸と隣接しており、政治の中枢に極めて近い立地にあります。また、東急キャピトルタワーとも隣接、抜群のアクセス性を誇ります。

壮大なスケールとセキュリティ

当初計画では地上50階超、高さ200mを超える大規模複合ビルとして構想されました。しかし、テロ対策の観点から、総理大臣官邸・公邸に面する側は窓を極力減らし、視界を遮る設計となっています。このセキュリティ対策は、建物の重要な特徴となっています。日枝神社の空中権を取得することで容積率制限の緩和を受け、実現可能となりました。

圧巻のスカイロビーと高速エレベーター

高層階はホテルとして利用されることを想定した設計で、27階には「スカイロビー」と呼ばれる吹き抜けの大空間があります。この広大な空間は、NTTドコモの本社受付ロビーとして利用されているほか、一般客も利用可能なスカイレストラン（聘珍楼・春秋）や、東京の美しい景色を望めるフリースペースとして開放されています。赤坂Bizタワー、東京ミッドタウン、六本木ヒルズなど、都心のランドマークを眺望できる絶好のスポットです。

ビル内には、63人乗りという日本初の大型かごを採用した三菱電機製の高速シャトルエレベーター6機が設置されており、最上階まで約30秒で移動できます。通常、オフィスフロアへのアクセスはテナントのIDカード保有者に制限されていますが、商業施設や飲食店のある地下2階から1階、そしてスカイロビーは一般の方も自由に利用できます。

主要テナントと多様な機能

山王パークタワーには、数多くの企業が入居しています。最大のテナントはNTTドコモで、27階から44階、さらに8階、9階、16階、17階を占めて本社機能を展開しています。地下、1階、27階にはdocomo Wi-Fiが利用可能です。9階にはNTTドコモの社員食堂も設置されています。

その他、金融機関、外資系企業、エネルギー企業など、多様な業種の企業がテナントとして入居しています。消費者庁も以前は4階から6階に入居していましたが、現在は移転しています。飲食店やATMなどは主に地下1階に集まっており、お昼時は近隣住民やオフィスワーカーで賑わいます。三菱UFJ信託銀行も本店建て替え期間中、一時的に本社を置いていました。

歴史と周辺環境

山王パークタワーの建設地には、かつて山王ホテルがありました。山王ホテルは二・二六事件の舞台となり、戦後には在日米軍施設としても利用された歴史を持つ建物でした。安全自動車とその関連会社が山王ホテルの経営者であり、山王パークタワーの共同所有者でもあります。

周辺環境としては、溜池山王駅（東京メトロ銀座線・南北線）、国会議事堂前駅（東京メトロ丸ノ内線・千代田線）といった駅へのアクセスが良好です。また、総理大臣官邸、国会議事堂、山王日枝神社、東京都立日比谷高等学校など、歴史的建造物や教育機関も近隣に存在します。ザ・キャピトルホテル東急、プルデンシャルタワーなどの高層ビルも周辺に立ち並び、ビジネスと文化が融合したエリアとなっています。

山王パークタワーは、優れたアクセス性、充実した設備、そして歴史的な背景を持つ、東京の中枢を象徴する超高層ビルです。

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