山田三次郎

山田三次郎

山田三次郎（やまだ さんじろう）は、1870年（明治3年）に生まれ、1939年（昭和14年）に亡くなった日本の技術者、実業家です。日本のガラス工業と化学工業の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと学歴

山田三次郎は、鹿児島県で生まれました。東京数学院（現在の東京高等学校）を経て、1897年に東京工業学校（現在の東京工業大学）窯業科を卒業しました。その後、1900年から1903年まで、農商務省の海外実業練習生としてベルギー・ブリュッセルのガラス工場に留学し、ガラス製造に関する高度な技術を習得しました。

旭硝子での活躍

帰国後、農商務省嘱託を経て、1906年に東洋硝子に入社し技師として勤務しました。1908年には旭硝子に入社し、工務長として、岩崎俊弥による旭硝子創業に参画しました。欧米のガラス産業を調査するなど、創業初期の旭硝子の発展に貢献しました。1918年には日米板ガラスの取締役にも就任しました。旭硝子では常務取締役を経て、初代社長の岩崎の死後、1931年から後継として取締役会長（第2代社長）に就任しました。また、1933年には旭化学工業奨励会の理事長も務めました。

その他の活動

山田三次郎は、旭硝子以外にも、1936年には日本タール工業の社長に就任するなど、幅広い分野で活躍しました。また、1939年には蔵前工業会の理事長にも就任しましたが、同年、在職中に急逝しました。

親族

山田三次郎の妻セツは、内務技師中原貞三郎の長女です。兄には、元海軍中将の山田彦八、元帝国大学工科教授の山田直矢がいます。また、祖父には薩摩藩士の大久保利世が、伯父には元内務卿の大久保利通が、従兄には元外務大臣の牧野伸顕、元貴族院議員の大久保利武がいます。名門の家系であったことが伺えます。

まとめ

山田三次郎は、技術者、実業家として、日本のガラス工業と化学工業の発展に大きく貢献しました。特に旭硝子での活躍は目覚ましく、同社を日本有数のガラスメーカーへと成長させました。その功績は、日本の産業史において特筆すべきものです。

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