山田信夫 (脚本家)

山田信夫の生涯と業績

山田信夫（やまだ のぶお）は、1932年7月11日に中国の上海で生まれました。彼の父は電気技師であり、幼少期から技術的な影響を受けていました。戦後、山田は家族と共に日本に引き揚げ、愛知県豊橋市で成長します。工業高校を卒業した後、早稲田大学文学部に進学し、美術を専攻しました。この時期、彼は将来のカラー映像時代に対する期待を持っていました。

大学在学中に、山田は東宝の脚本研究生として活動を始めました。1956年に大学を卒業後、作家の佐藤愛子の家に居候しながら、女子高校の教師に就任しますが、数日で退職。その後名古屋のミュージックホールで文芸部員として活動し、タブロイド新聞の記者を経て、1958年には自らの経験を基にした作品『陽に背く者』がシナリオ作家協会コンクールで入選しました。この作品が、山田信夫としての脚本家デビュー作となります。

彼は1958年に日活と契約し、その後1970年にはフリーとなります。1963年にはTBSで初めてのテレビドラマ脚本『若もの－努の場合－』を手掛け、この作品は第17回芸術祭奨励賞を受賞しました。山田の作風は、小さな心象風景を詳しく描写することに特徴があり、最初は日本の映画やドラマに馴染めなかったと語っています。

彼はさまざまな作品を手がけ、その中には『憎いあンちくしょう』（1962年）や『不毛地帯』（1976年）があります。特に『不毛地帯』は、毎日映画コンクール脚本賞を受賞し、また『去っていく男』（1991年）では向田邦子賞を手にしました。これらの業績は、彼の脚本家としての地位を確立する要因となりました。

プライベートにおいては、最初東京で生活した後、妻の故郷である岡山県に移り住みました。妻が亡くなった後、豊橋市に戻り、1987年には20歳年下の女性と再婚しています。また、彼の息子は映画プロデューサーとして活動しています。

主な作品

山田信夫の代表的な作品には、以下のものがあります：

• - 陽に背く者（日活、1958年）
• - 清水の暴れん坊（日活、1959年）
• - 男が命を賭ける時（日活、1959年）
• - アラブの嵐（日活、1961年）
• - 硝子のジョニー 野獣のように見えて（日活、1962年）
• - 暗殺（松竹、1964年）
• - 不毛地帯（東宝、1976年）
• - 去っていく男（フジテレビ、1991年、向田邦子賞受賞）
• - されどわが愛（NHK、1995年）

著書にも残した影響

また、山田信夫は脚本だけでなく著書にも取り組みました。特に、1975年に発表した『雨のアムステルダム』や、1986年に出版された『映画子象物語 地上に降りた天使』など、彼の視点や感性が活かされています。

彼の作品は、観る人々の心に深く響くものが多く、山田信夫という名前は、日本の映画やドラマ界において今なお語り継がれています。1998年2月2日に彼はこの世を去りましたが、彼の作品は永遠に輝き続けることでしょう。

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