山田十竹

山田 十竹について

山田十竹（やまだ じっちく、1834年1月18日 - 1901年8月26日）は、江戸時代末期から明治時代まで活躍した著名な儒学者、漢学者、教育者である。彼は広島城内に自宅を構えており、その庭には十数本の竹が植えられていたため、「十竹」という号名を持つこととなった。彼の墓は広島市の比治山共同墓地にある。

生涯の概略

彼は天保4年、広島藩士である山田三太の長男として生まれる。広島藩校である学問所に入学し、若干11歳で坂井虎山に師事する。その後も着実に学問を深め、13歳で金子霜山の元で学び続ける。寛永元年の1848年には、16歳という若さで学問所の句読師に任命され、19歳で教授に昇進した。

1863年、広島藩主の浅野茂長からの命を受けて、彼は公武合体に関する重要な会合に出席し、政治的な調整役を担った。さらに同年、藩命で長州藩に赴き、幕府との関係悪化を受けて、朝廷を追われた三条実美との交渉を行うという重要な役回りを務めた。

1866年には、江戸藩邸の教育監督を命じられ、洋学生を指導しながら、より広範な教育発展に寄与した。1871年には、広島大一揆の最中に民衆への説諭を行うなど、彼の教育活動は社会に深い影響を及ぼした。

出版活動と教育活動

1871年には広島県初の新聞「日注雑記」を創刊し、教え子や同士と共に編集に尽力した。1873年には「日本志略」を、1874年には海軍兵学校の教官として上京しながら「暗誦事類」を出版。1879年には「明治小学」を発表し、教育の発展に寄与した。

1881年、彼は旧広島藩主の浅野長勲から、私立浅野学校の校長として招聘を受け、学問所の流れを汲む教育機関の改革に取り組んだ。海軍兵学校予備科や陸軍士官学校予備科を併設するなど、次世代の育成を目指した。

主な著作

山田十竹は、数多くの著作を残しており、彼の思想や教育観を知る上で重要な資料となっている。主な著作には、

• - 『日本志略』
• - 『暗誦事類』
• - 『明治小学』
• - 『燈火余滴』
• - 『血痕録』
• - 『尺木集』
• - 『十竹遺稿』

といった書物があり、彼の学問的考察や教育方針が反映されている。

記念碑と顕彰

彼の業績や教育への貢献を讃えるため、様々な記念碑が立てられている。例えば、広島市中区にある修道中学校・高等学校内には「十竹山田先生之碑」があり、1914年に門弟たちによって建立された。また、1868年には東京・品川区の泉岳寺に「表忠碑」が建立され、山田自身がその撰文を手掛けている。これらの碑は、彼の偉業を後世に伝える貴重な文化遺産である。

結び

山田十竹はその生涯を通じて、江戸時代の教育界において重要な役割を果たした人物であり、彼の作品や教育方法は今もなお多くの人々に影響を与えている。彼の功績は、広島の教育史にも深く根ざしており、今後も語り継がれていくべき存在である。

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