山田卓

山田卓の生涯と振付作品

概要

山田卓（やまだ たく、本名：山田卓〈やまだ たかし〉）は、日本の著名な振付家であり、多くの舞台作品における振付を担当しました。1931年に大阪に生まれ、2007年に逝去するまで、その創作活動は日本の舞台芸術に多大な影響を与えました。

幼少期からの道のり

山田は大阪の裕福な家庭ではない環境で育ち、7人兄弟の5番目として生まれました。戦争の影響を受けながら、彼の幼少時代は厳しいものでした。彼は吹田第一小学校から茨木中学校へ進学し、器械体操で国体2位という成果を収めましたが、その後は鳥羽商船高等学校に進学するも1年半で退学。この退学の理由として、彼が身を置く環境に馴染めなかったことが挙げられています。

退学後、姉の推薦で江川バレエ団に入団し、舞踏家としての道を切り開くと同時に、自身の振付活動もスタートしました。その後は、日劇での活動に移り、ダンスチーム「ステップイン」を結成して地方公演などの活躍を果たしました。舞台芸術に関する知識は独学で深め、多くの洋書を読み漁っていたことでも知られています。

主な業績

1956年、梅田コマ劇場のオーディションに合格し、本格的にダンサーや振付家として活動するようになります。この時期、浜村美智子の「バナナ・ボート」の振付や演出によって一世を風靡しました。また、1957年には宝塚歌劇団の初のレビュー作品「モン・パリ」の振付を手がけるなど、数々の名作に携わりました。

その後も、彼は多くの代表作を生むことになります。「ミー・アンド・マイ・ガール」、「ガイズ＆ドールズ」などの舞台作品から、木の実ナナと細川俊之の二人芝居「ショーガール」まで、広範なジャンルで活躍しました。「ショーガール」は1974年に初演され、15年間のロングラン公演を達成しました。

また、1965年からは劇団四季にも参加し、「キャッツ」や「ジーザス・クライスト・スーパースター」などの作品の振付も手がけることとなります。特に「ミュージカル李香蘭」では彼の特異な振付が高く評価されました。

協会活動と受賞歴

山田卓は日本振付家協会の創設者であり、会長としてもその普及や発展に尽力しました。さらに、日本ジャズダンス芸術協会の相談役を務めるなど、指導的立場にあったことで、多くの若手振付家に影響を与え続けました。

2007年に大阪市市民功労賞を受賞し、その業績が広く認知されたのも彼の振付家としての活動の一環です。彼の作品は、テレビ番組や映画、コンサートなど、多岐にわたるメディアで見ることができます。

代表的な振付作品

彼の振付作品は多岐にわたりますが、以下はその一部です。宝塚歌劇団での振付は特に有名で、1957年の「モン・パリ」や1958年の「恋人よ我に帰れ」、さらに1990年の「ザ・モダーン」など、多くの作品に振付を提供しました。劇団四季でも多くの作品に携わり、数々の名作に振付を残しました。

山田卓は、日本の舞台振付の歴史に名を刻む偉大な振付家であり、その影響力は今なお感じられます。彼の振付作品は、舞台芸術の発展と日本独自の表現の礎を築いたことでしょう。

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