山田有栄

山田有栄

山田有栄（やまだ ありなが）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武将で、島津氏の家臣として活躍しました。

生涯

天正6年（1578年）、山田有信の子として誕生しました。10歳の時に父が豊臣秀長に降伏した際、人質として差し出されました。その後、文禄・慶長の役では朝鮮に出兵し武功を挙げました。

慶長3年（1598年）には大隅国福山の地頭に任じられ、翌年の庄内の乱では福山衆を率いて参戦しました。慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、島津義弘の右備えとして布陣し、敵中突破で退却する義弘を援護し、無傷で退却させるという大活躍を見せました。また、敗走中に兵糧と休息を提供してくれた村人への支払いが不足した際には、自身の刀の金象嵌の鞘を代償として残すなど、義理堅い一面も持ち合わせていました。これらの功績により、義弘から「軍功並ぶものなし」と称賛され、200石の加増と名刀を授与されました。

寛永6年（1629年）には薩摩国出水地頭に任じられ、「出水兵児」と呼ばれる気風を造ったとされています。寛永13年（1636年）には島津家久（忠恒）の家老職に就任し、家臣団の教育や産業開発に尽力しました。島原の乱では藩主名代として総大将を務め、軍勢を率いて参戦しました。

慶安3年（1650年）に家老職を辞任し、万治2年（1659年）には2020石を領しました。寛文8年（1668年）に91歳で病死し、墓は現在も出水市の薩州島津家の墓地にあります。嫡男の有季は早世したため、家督は次男の有隆が継ぎました。

人物

山田有栄は、武勇に優れるだけでなく、義理人情に厚く、領民を大切にする人物でした。また、教育にも熱心であり、島津家の発展に大きく貢献しました。その功績は、今日まで語り継がれています。

脚注

山田有栄は、島津氏の家臣として数々の戦で活躍し、その武勇と人柄で多くの人々に尊敬されました。
関ヶ原の戦いでの活躍は特に有名で、主君を守り抜いた忠義心は高く評価されています。
家老として、島津家の教育や産業開発に貢献し、その統治能力も発揮しました。
出水兵児の気風を造った人物としても知られています。
* 91歳という長寿を全うし、その生涯は島津氏の歴史に深く刻まれました。

もう一度検索