山田正雄

山田正雄の生涯

山田正雄（やまだ まさお）は、1912年11月6日に静岡県焼津市で生まれ、2006年2月8日に93歳でその生涯を閉じました。彼は、旧内務官僚としてのキャリアをスタートさせ、後に陸上自衛官として日本の防衛に貢献した人物です。

初期のキャリア

山田は静岡高等学校を経て、東京帝国大学法学部を卒業しました。1936年3月に内務省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせます。その後、秋田県警察部長、岐阜県警察長、埼玉県警察長といった要職を歴任し、警察官僚としての手腕を発揮しました。

警察予備隊への転身

1950年、戦後の混乱期において、山田は警察予備隊の発足と同時にその一員となります。当時のGHQが実施した高級公務員の再試験では、トップの成績を収めたという逸話が残っています。この転身は、彼のキャリアにおける大きな転換点となりました。警察予備隊では、総隊総監部人事部長を務め、組織の基盤を固める上で重要な役割を果たしました。

陸上自衛官としての活躍

警察予備隊が自衛隊へと改組された後、山田は陸上自衛官としてその能力を発揮します。第一幕僚監部第1部長、陸上幕僚監部第2部長などを経て、1959年には陸将に昇任し、第6管区総監（現・第6師団長）に就任しました。その後も、第3師団長、陸上幕僚副長、東部方面総監といった要職を歴任し、1968年には第8代陸上幕僚長に就任しました。陸上幕僚長として2年余り務めた後、1970年に退官しました。

退官後

退官後、山田は防衛研修所（現・防衛研究所）所長に就任し、後進の育成に尽力しました。1983年には、その功績が認められ、勲二等旭日重光章を受章しました。

人物像と影響

山田正雄は、警察官僚から自衛官へと転身するという異例のキャリアを歩みながらも、それぞれの分野で卓越した能力を発揮しました。彼の経験は、戦後日本の混乱期から自衛隊発足という激動の時代における、日本の安全保障体制の変遷を象徴していると言えるでしょう。その功績は、日本の防衛史に深く刻まれています。

年譜

1912年（大正元年）11月6日：誕生
1936年（昭和11年）3月：東京帝国大学法学部卒業、内務省入省
1946年（昭和21年）7月13日：秋田県警察部長
1948年（昭和23年）3月7日：岐阜県警察長
1950年（昭和25年）4月15日：埼玉県警察長
1950年（昭和25年）11月15日：願に依り免官
1950年（昭和25年）12月5日：警察予備隊に入隊（1等警察正）
1950年（昭和25年）12月29日：警察予備隊総隊総監部人事部長
1952年（昭和27年）8月1日：第一幕僚監部第1部長
1953年（昭和28年）2月1日：保安監補に昇任
1954年（昭和29年）7月1日：陸上幕僚監部第2部長（陸将補）
1959年（昭和34年）8月1日：陸将に昇任、第6管区総監（現・第6師団長）に就任
1962年（昭和37年）8月1日：第3師団長に就任
1964年（昭和39年）3月16日：陸上幕僚監部第5部長
1965年（昭和40年）1月29日：陸上幕僚副長
1966年（昭和41年）4月30日：東部方面総監に就任
1968年（昭和43年）3月14日：第8代 陸上幕僚長に就任
1970年（昭和45年）7月1日：退官。
1970年（昭和45年）10月1日：防衛庁教官に任命され、第7代 防衛研修所（現・防衛研究所）所長に就任
1972年（昭和47年）6月20日：退職
1983年（昭和58年）4月29日：勲二等旭日重光章受章
2006年（平成18年）2月8日：肝臓がんのため逝去（93歳没）。叙・従三位

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