山田美諭

山田 美諭 (やまだ みゆ)

日本の女子テコンドー選手（WTF）。1993年12月13日生まれ。国内外の主要大会で活躍し、日本テコンドー界を牽引するトップアスリートの一人である。

経歴

幼少期から武道に親しんでおり、空手道場を運営する父親の影響で3歳から空手を始めた。中学校に進学後、父親の勧めを受けてテコンドーへの転向を決意。聖霊中学校、聖霊高校で競技に打ち込み、高校卒業後は大東文化大学文学部英米文学科に進学した。大学ではテコンドー部の金井洋監督に師事し、選手としての才能を開花させた。大学卒業後も現役を続行することを決め、城北信用金庫に就職。会社員としての業務と競技活動を両立させる生活を送っている。

キャリアにおける挑戦と克服

選手キャリアの中で、大きな困難にも直面している。大学4年時の2015年11月、リオデジャネイロオリンピックの最終選考会に出場中、試合中に転倒し、右膝靱帯を損傷するという重傷を負った。この怪我は選手生命にも関わるほど深刻なものであったが、山田選手は約1年もの期間をリハビリとトレーニングに費やし、見事に競技の第一線への復帰を果たした。この経験は、その後の競技生活における粘り強さや精神的な強さに繋がったと言える。

主な実績

復帰後、目覚ましい活躍を見せる。2017年から2019年にかけて、全日本テコンドー選手権大会で三連覇を達成し、国内における絶対女王としての地位を確立した。国際大会でも存在感を示し、アジア競技大会には複数回出場。2018年にインドネシアで開催された第18回大会では、女子49kg級で銅メダルを獲得し、自身のキャリアにおいて重要なマイルストーンを打ち立てた。また、世界選手権にも継続的に出場し、ベスト8やベスト16といった成績を残している。WTプレジデンツカップや各種オープン大会、グランプリシリーズなど、世界ランキングに関わる主要な国際大会にも積極的に参戦し、上位入賞の経験を重ねてきた。2018年のマンチェスターグランプリや2019年のローマグランプリでの銅メダル獲得などが挙げられる。これらの安定した国際大会での実績と国内での圧倒的な強さが評価され、東京オリンピック日本代表に内定した。

東京オリンピックでの活躍

2020年東京オリンピックでは、女子49kg級に出場。初戦では台湾の蘇栢亜選手に10対9、準々決勝では韓国の沈裁盈選手に16対7で勝利し、この階級において日本選手として史上初めて準決勝に進出するという歴史的な快挙を達成した。準決勝では、最終的にこの大会の金メダリストとなるタイのパニパク・ウォンパッタナキット選手に敗れたものの、メダル獲得の可能性を残し3位決定戦へと駒を進めた。迎えた3位決定戦では、セルビアのティヤナ・ボグダノヴィッチ選手と対戦したが、惜しくも敗れ、メダル獲得はならなかった。しかし、その最後まで諦めない戦いぶりは多くの人々に感動を与え、日本テコンドー界の新たな可能性を示すものであった。

家族

実兄の山田勇磨もテコンドー選手であり、2014年のアジア競技大会で銅メダルを獲得している。兄妹揃って国際舞台で活躍するテコンドー一家としても知られている。

現在も所属先である城北信用金庫の支援を受けながら、国内外の大会に出場し、日本代表選手として活動を続けている。

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