山田進

山田 進（やまだ すすむ）

山田 進氏は、1949年（昭和24年）2月生まれの日本の工学者です。専門は電子・電気材料工学であり、特に半導体材料に関する研究に長年携わってきました。北海道にある苫小牧工業高等専門学校では教授として教育と研究に従事しました。

経歴

山田氏の学歴は以下の通りです。

1967年（昭和42年）3月、室蘭工業高等学校機械科を卒業しました。
1971年（昭和46年）3月、室蘭工業大学工学部電子工学科を卒業しました。
1975年（昭和50年）3月、室蘭工業大学大学院工学研究科電子工学専攻博士前期課程（修士課程）を修了しました。
1977年（昭和52年）3月、北海道大学大学院工学研究科電子工学専攻博士後期課程（博士課程）を修了しました。

職歴としては、大学院修了後に北海道内の高等学校教諭を務めた経験があります。その後、高等教育機関での研究・教育の道に進み、苫小牧工業高等専門学校電気電子工学科の教授に就任し、教育・研究活動の主要な舞台としました。

専門分野・研究テーマ

山田氏の専門は、物質が持つ電子的な特性や電気的な性質を研究する電子・電気材料工学、とりわけ次世代エレクトロニクスの基盤となる半導体材料に深く根差しています。

彼が特に注力した研究テーマは多岐にわたりますが、代表的なものとして以下の点が挙げられます。

水面上に形成されるL膜の表面構造に関する研究。水の表面に形成される非常に薄い膜（L膜、Langmuir膜）の微細な構造や、その形成過程における分子の振る舞いを詳細に解析する研究です。
LB膜（ラングミュア・ブロジェット膜）や単分子膜といった、厚さが分子一つ分しかない極薄膜の物性や機能に関する研究。これらの膜は、センサーや電子デバイスへの応用が期待されています。
ショットキー障壁太陽電池、あるいはショットキー太陽電池と呼ばれる種類の太陽電池の動作原理や効率向上に関する研究。再生可能エネルギー源として重要な太陽電池の高性能化を目指しました。

これらの研究は、新しい機能性材料の創出や、より高性能な電子デバイス、エネルギーデバイスの開発に不可欠な基礎的知見を提供するものです。

主な研究業績

山田氏は、専門分野における豊富な知識と深い洞察に基づき、数多くの研究成果を学術界に発表してきました。特に、権威ある学術雑誌に掲載された論文は、彼の研究者としての功績を示すものです。代表的な論文の一部を以下に紹介します。

「気一液界面におけるポリジアセチレン誘導体単分子膜の直接観察と大面績2次元結晶の配向制御」（学術雑誌『表面科学』、1995年）：気体と液体の界面で形成される有機単分子膜の構造観察と、広範囲にわたる結晶の分子配向を制御する手法に関する研究。
「ポリジアセチリンL膜の分子配向」（学術雑誌『表面科学』、1995年）：ポリジアセチレン系のL膜が水面上に形成される際に、その分子がどのように配列するのか、その配向性に焦点を当てて解析した研究。
「気一液界面におけるポリジアセチレン単結晶単分子膜の分子配向と成長方向について」（学術雑誌、1996年）：気液界面でのポリジアセチレン単結晶単分子膜の生成過程を深く掘り下げ、分子の並び方と結晶の成長方向について詳細な考察を行った研究。

これらの業績は、極薄膜材料や機能性高分子の研究分野における重要な知見を提供しています。

所属学会

山田氏は、自身の研究活動と並行して、関連する専門分野の学術団体に積極的に参加し、他の研究者との交流や最新情報の収集に努めてきました。彼が主な会員として名を連ねた学会は以下の通りです。

応用物理学会
電子情報通信学会
* 日本表面科学会

これらの学会での活動は、山田氏の研究の幅を広げ、新たな視点を取り入れる上で重要な役割を果たしました。

関連事項

山田氏の研究テーマの一つであるポリジアセチレンは、外部からの刺激に応答して色や性質が変化する機能性高分子として知られており、材料科学分野で注目されている物質の一つです。

外部リンク

山田氏が長年にわたり教育・研究活動の拠点とした苫小牧工業高等専門学校に関する情報は、関連する外部リンクから参照することができます。

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