山科ゆり

山科ゆり（やましな ゆり、1953年10月26日 - ）は、昭和を代表する日本の元女優です。本名は嵯峨正子（さが まさこ）。秋田県秋田市出身で、身長157cm、B80-W58-H85cm、血液型はA型。

演劇への情熱とデビュー

演劇に憧れ、高校を中退して上京した山科は、当初、津村冴子という芸名で独立プロ系の成人映画に出演していました。その後、日活にスカウトされ、ロマンポルノ路線へ転向。1971年に『色暦女浮世絵師』でデビューしました。初期は本名で出演していましたが、4作目の『さすらいの情事』から山科ゆりの芸名で活動しています。

1973年には『昼下がりの情事 古都曼荼羅』で初主演を果たし、以降、日活ロマンポルノの主力女優として、数多くの作品で主演や助演を務めました。その特徴は、色白でどこか病的な雰囲気と、それとは対照的に芯の強い女性や冷酷な悪女を演じ分ける高い演技力です。特に、虐げられるヒロイン役は彼女の真骨頂とも言えるでしょう。

風間杜夫との共演

山科は、同時期にロマンポルノで活躍していた風間杜夫との共演が多く、風間のロマンポルノ出演14作品中、実に8作品で共演しています。二人の息の合った演技は、当時の観客を魅了しました。

テレビドラマへの進出

70年代半ばからは、テレビドラマにも活躍の場を広げました。中でも特筆すべきは、『電撃！ストラダ5』でしょう。現役の成人映画スターがテレビドラマでレギュラーヒロインを演じるという、当時としては非常に珍しいケースでした。しかも、その作品は異色のコスチュームSFアクションという、山科の新たな一面を見せるものでした。

引退とその後

1983年、結婚を機に惜しまれつつも引退しました。しかし、彼女が出演した作品は、今もなお多くのファンに愛され続けています。山科ゆりは、昭和の映画史において、独特の存在感を放った女優として、その名を刻んでいます。

主な出演作品

映画

色暦女浮世絵師（1971年）
O・L日記 牝猫の匂い（1972年）
濡れた唇（1972年）
しなやかな獣たち（1972年）
さすらいの情事（1972年）
昼下がりの情事 古都曼荼羅（1973年）
赤ちょうちん（1974年）
すけばん刑事 ダーティー・マリー（1974年）
星空のマリオネット（1978年）
団鬼六 縄と肌（1979年）
快楽学園 禁じられた遊び（1980年）

テレビドラマ

電撃!! ストラダ5（1974年）
ザ・ボディガード（1974年）
イナズマンF（1974年）
俺たちの旅（1976年）
特捜最前線（1978年-1979年）
柳生一族の陰謀（1978年-1979年）
大江戸捜査網（1979年）
西部警察（1980年-1982年）
太陽にほえろ!（1981年-1982年）
仕掛人・藤枝梅安（1982年）
眠狂四郎円月殺法（1983年）



山科ゆりの出演作品は多岐にわたり、その演技は観る者を魅了しました。彼女の残した足跡は、日本の映画・テレビ史において、決して色褪せることはないでしょう。

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