山科部屋

山科部屋の歴史

山科部屋（やましなべや）は、かつて存在した日本の相撲部屋であり、相撲界の一部で重要な役割を果たしていました。しかし、その長い歴史の中で、関取と呼ばれる高い地位の力士を輩出することはありませんでした。ここでは、山科部屋の沿革と主要な出来事について詳しく見ていきます。

1. 初代とその後の運営

山科部屋は、3代目の稲荷山長兵衛により始められ、その後6代目にも受け継がれました。ただし、両者をもってしても、関取を出すことには成功しませんでした。相撲部屋としての活動は続けられたものの、強力な力士の育成には至らず、部屋としての存在感は薄れていきました。

2. 明治期の変遷

明治12年（1879年）、秀ノ山部屋で元幕内の達ヶ関森右エ門が引退し、その後7代目を襲名しました。しかし、彼もまた強力な力士を育てることができず、明治42年（1909年）3月に亡くなるまでに関取を持つことはありませんでした。達ヶ関の引退後、所属していた力士たちは出羽ノ海部屋に移籍し、その中にはのちに幕内力士となる釋迦ヶ嶽庄太郎も含まれていました。

3. 大正時代の活動

大正2年（1914年）、伊勢ノ海部屋で元幕内の柏山吾郎が引退し、8代目として山科部屋の運営を引き継ぎました。彼は関脇に柏山大五郎を育てることに成功しました。この時期には希望を持たれたものの、部屋の関取が増える兆しは見えませんでした。

4. 昭和への流れ

昭和5年（1930年）1月には、師匠が元清見潟部屋の岩木山謙治郎を引き取りますが、同年10月に岩木山は引退してしまいました。これ以降、部屋は再び関取を持たず、昭和8年（1933年）1月に柏山吾郎が亡くなると共に、山科部屋はその歴史の幕を下ろしました。

まとめ

山科部屋は、代々の親方によって運営されましたが、残念ながら関取を輩出することは叶いませんでした。数々の力士が所属したものの、時代の流れや他部屋への移籍といった要因が影響し、相撲界での地位を確立することはできませんでした。これにより、山科部屋の存在は次第に薄れていくこととなり、その歴史は消えていったのです。相撲部屋としての使命を全うできなかった山科部屋の物語は、相撲界の一断片として今も忘れられることはありません。

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