秀ノ山部屋

秀ノ山部屋の歴史

秀ノ山部屋は、かつて日本の相撲界で重要な役割を果たしていた相撲部屋で、数多くの大関や横綱を輩出した伝統ある存在です。その沿革は深く、初代秀ノ山は柏戸部屋に所属していた和哥浦が二枚鑑札を持って襲名し、名を秀ノ山傳治郎へと改めました。この初代は、二所ノ関部屋や佐野山部屋から弟子を一時的に預かり、大関の秋津風音右エ門や四賀峰東吉が誕生するなど、部屋の発展に貢献しました。

初代秀ノ山傳治郎は、文政6年（1823年）7月に死去し、その後は彼の弟子である源氏山吉太夫が部屋を継承しました。源氏山はその教えを受けた弟子から、第9代横綱秀の山雷五郎を輩出するなど、その後の相撲界に大きな影響を与えました。天保15年（1844年）には、2代秀ノ山（元大関・源氏山）が死去し、後を秀の山が引き継ぎました。

この後、部屋は元十両から独立した大江山源治の継承を経て、幕内の鹿嶋灘鰐右エ門が二枚鑑札で襲名し、さらなる発展を遂げました。彼らの弟子には達ヶ関森右エ門や天津風雲右エ門が育ち、秀ノ山部屋は和をもって成す相撲の精神を体現しました。明治26年（1893年）には、5代秀ノ山（元幕内・鹿嶋灘）が亡くなり、その後幕内の天津風が部屋を 継承しました。

天津風は明治41年（1908年）に引退し、その後は年寄専務として新たな力士の育成に力を入れました。一方で、大正3年（1914年）に6代秀ノ山（幕内・天津風）が亡くなった後、所属していた力士たちは他の部屋へ移籍することとなり、秀ノ山部屋は一時的にその活動を終息させることになりました。

時が経つ中で、相撲界においても新たな動きが生まれました。現役時代に佐渡ヶ嶽部屋に所属していた元大関・琴奨菊が、2020年11月場所をもって現役を引退し、14代秀ノ山を襲名することが発表されました。この14代は、2024年3月に新たに秀ノ山部屋を復興させる意向を示しており、それが実現すれば、名称としては実に110年ぶりに秀ノ山部屋が復活することになります。相撲界での長い歴史と伝統を持つこの部屋の再設立は、ファンや関係者にとって大きな期待と関心を呼び起こしています。

もう一度検索