山脇学園短期大学

山脇学園短期大学

山脇学園短期大学は、東京都港区赤坂に位置していた私立の短期大学です。1950年に設立され、2011年にその歴史を閉じました。通称「赤短」として知られ、設置主体は学校法人山脇学園でした。

概要

山脇学園短期大学は、1950年に国内で最初に認可された149校の短期大学の一つとして、1学科60名体制でスタートしました。その後、学科増設を経て最大で3学科体制を構築。2008年度の入学生を最後に、2011年に短期大学としての役割を終えました。

建学の精神

「女性の本質を磨き、時代に適応する教養高き女性を育成する」という理念を掲げ、女性の潜在能力を最大限に引き出し、社会で活躍できる人材育成を目指していました。

教育と研究

山脇学園短期大学は、明治期に設立された山脇高等女学校家事専攻科の伝統を受け継ぎ、家政系の学科に特に力を入れていました。また、英語科では国際交流や海外語学研修を積極的に行い、「フライアテンダント講座」も開講していました。これらの取り組みから、伝統的な教育と国際的な視野を併せ持つ人材育成に力を入れていたことが伺えます。

学風と特色

家政科、食物科、英語科の3学科は、いずれも女子学生を対象としていました。この学科構成は全国的にも珍しく、古風なイメージを持たれることもありました。新入生オリエンテーションでは、慶應義塾大学の男子学生をパートナーとしたダンスイベントが恒例となっていました。

沿革

1903年：女子實脩学校として設立
1906年：高等女子實脩学校に改称
1908年：山脇高等女学校と改称、家事専攻科を開設
1928年：財団法人山脇高等女学校となる
1947年：山脇学園中学校、高等学校を開設
1949年：家事専攻科を廃止し、山脇学園専攻科別科を新設
1949年10月：文部省に短期大学の設置認可を申請（生活学科、被服学科）
1950年3月：短期大学の設置が文部省により認可
1950年4月：山脇学園短期大学が開学（家政科）
1951年2月：学校法人山脇学園の設置が許可
1951年4月：家政科が栄養士養成施設として厚生省から指定
1953年4月：家政科の入学定員を増員
1954年3月：別科に家政専修課程を開設
1956年4月：食物科を増設
1966年4月：英文科を増設
2004年4月：各学科の定員を減員（英文科、家政科）
2005年4月：英文科を英語科に改称、食物科に栄養教諭二種免許状を設置
2008年4月：学生募集を停止
2011年7月：正式に廃止

基礎データ

所在地：東京都港区赤坂四丁目10番36号
カレッジマーク：ハート型の模様に富士山の絵が描かれたもの

組織

学科：家政科、食物科、英語科
専攻科：なし
別科：家政専修

取得可能な資格

中学校教諭二種免許状（家庭、英語）
栄養教諭二種免許状
栄養士（食物科）

附属機関

図書館
資料館（被服に関する資料中心）
国際文化センター
研究紀要：『山脇学園短期大学紀要』を発行

学生生活

部活動・クラブ活動・サークル活動

ESS、ダンス、テニス、チアリーディングなど、多様なクラブ活動が展開されていました。

学園祭

「山脇祭」が開催され、学生によるクラブ活動や研究発表が行われました。

大学関係者と組織

大学関係者一覧

初代学長：山脇秀輔
2代目学長：山脇馨
3代目学長：中川信吾

主な卒業生

沢たまき（歌手、女優、政治家）、多岐川裕美（女優）、酒井ゆきえ（フリーアナウンサー）、乙部綾子（広報担当）、長谷川町子（漫画家）、千葉紘子（歌手）、藤森涼子（気象予報士、キャスター）、呉羽理子（フリーアナウンサー）、中岡由佳（フリーアナウンサー）、古旗照美（しょくスポーツ代表取締役）、光丘真理（児童文学作家、元女優）、菅えりこ（元タレント）、朝倉玲子（料理研究家）など、各界で活躍する多くの卒業生を輩出しています。

施設

キャンパス

東京メトロ銀座線・丸ノ内線赤坂見附駅、有楽町線・半蔵門線・南北線永田町駅、千代田線赤坂駅、都営地下鉄大江戸線青山一丁目駅が利用可能でした。

設備

学生食堂、講堂、学生寮（ドーミー赤坂レディース／芙蓉寮）がありました。

対外関係

他大学との協定

ラセル・カレッジ（アメリカ）、シアトル大学（アメリカ）、コンコーディア大学（ポーランド）と姉妹校提携を行っていました。

姉妹校

山脇学園中学校・高等学校

卒業後の進路

編入学・進学実績

家政科からは杉野服飾大学、日本女子大学など、食物科からは聖徳大学、実践女子大学など、英語科からは淑徳大学、東京経済大学、東京女学館大学など、多くの大学への編入学実績があります。

参考文献

多数の参考文献を基に、山脇学園短期大学の歴史、教育内容、学生生活、卒業生の活躍などを多角的に記述しました。

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