山越駅

山越駅（やまこしえき）

北海道二海郡八雲町山越に所在する、北海道旅客鉄道（JR北海道）函館本線に属する駅です。駅番号はH55が付与されており、電報略号は「ヤコ」が使用されています。

歴史

山越駅の歴史は、1903年（明治36年）11月3日に北海道鉄道の森駅と熱郛駅の間が開通した際に、「山越内駅（やまこしないえき）」として開業したことに始まります。当初は貨物や荷物も取り扱う一般駅として設置されました。

開業から間もない1904年（明治37年）10月15日には、現在の駅名である「山越駅」へと改称されました。この名称変更は、所在地の地名に合わせる形で行われたとされています。

1907年（明治40年）7月1日には、北海道鉄道が国有化されたため、国鉄に移管されました。その後、1909年（明治42年）10月12日には国有鉄道の線路名称が制定され、函館本線の一部となりました。

駅舎に関しては、1920年（大正9年）9月8日に一度改築されています。第二次世界大戦後、日本国有鉄道法が施行された1949年（昭和24年）6月1日からは、新体制となった日本国有鉄道（国鉄）が運営を担いました。

高度経済成長期には、鉄道貨物輸送体系の変化などを受け、1960年（昭和35年）5月25日に貨物取扱いが廃止されました。また、輸送力増強のため、1969年（昭和44年）には函館本線の一部区間で複線化が進められ、同年8月29日に野田生駅と当駅の間が、9月26日には当駅と八雲駅の間がそれぞれ複線となりました。

1984年（昭和59年）2月1日には、残されていた荷物取扱いも廃止され、駅機能は旅客扱いのみとなりました。さらに、鉄道駅の合理化が進む中で、1986年（昭和61年）11月1日には無人化が実施されました。

国鉄の分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からは北海道旅客鉄道（JR北海道）の駅として新たなスタートを切りました。民営化後、1989年（平成元年）10月6日には再度駅舎が改築されています。また、JR北海道が進める駅ナンバリングの導入により、2007年（平成19年）10月1日には駅番号H55が付与されました。

駅名の由来

駅名は、所在地である八雲町山越の地名に由来しています。この地名「山越」は、さらに古くからこの地に根ざすアイヌ語に起源を持つとされています。由来にはいくつかの説があり、「ヤㇺクㇱナイ（yam-kus-nay）」が「栗を拾うために通行する川」を意味するという説、「ヤㇺウㇱナイ（yam-us-nay）」も同様に「栗を拾うために通行する川」を指すとする説、そして「ヤㇺウㇰウㇱナイ（yam-uk-us-nay）」が「栗を採るためにいつも利用する沢」という意味を持つとする説などが挙げられています。開業時の駅名「山越内」から「山越」への改称は、地名表記と駅名を一致させる意図があったとされています。

駅構造

山越駅は、地上に設置された駅であり、相対式ホーム2面2線を有しています。かつては、ホーム2面に加えて中線を持つ計3線の構成（混合ホーム2面3線）でしたが、その後の改良により中線が撤去され、現在の2線構造となりました。ホームの間に利用者が渡るための構内踏切が設置されています。

特徴的な設備として、ホームの脇に江戸幕府時代の関所を模したデザインの待合所が建てられています。これは、駅の近くに過去に関所が設けられていた史実に基づいたものであり、「日本最北端の関所」として地域のシンボルにもなっています。駅自体は無人駅であり、近隣の八雲駅によって管理されています。

のりば

駅周辺

駅周辺には、主要幹線道路である国道5号線が通っています。生活関連施設としては、山越郵便局や八雲町立山越小学校などが見られます。公共交通機関としては、函館バスの「山越駅前」停留所が設置されており、駅へのアクセスを補完しています。その他、地域には道央自動車道の八雲パーキングエリアや、広大な敷地を持つ噴火湾パノラマパーク、レストランのハーベスター八雲、温泉施設の浜松温泉、そして飲料メーカーのヤクモ飲料などがあります。

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）函館本線

野田生駅 (H56) - 山越駅 (H55) - 八雲駅 (H54)

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