八雲町

八雲町：自然と歴史が織りなす北海道の町

概要

北海道渡島総合振興局に位置する八雲町は、函館市と室蘭市の中間に位置する、日本海と太平洋に面した町です。その名前は、尾張徳川家の徳川慶勝が、豊かな理想郷建設を願い、古事記にあるスサノオノミコトの和歌を引用して名付けたことに由来しています。2005年の合併により、旧八雲町と熊石町が統合され、日本国内で唯一、太平洋と日本海に接する町となりました。ただし、地図上では黒松内町も同様に両海に面しているように見えますが、わずかに他の町に接しているため、厳密には両海に面しているとは言えません。

地理

八雲町は渡島半島の北部に位置し、東西に広がる地形から、東部地区（八雲地域）と西部地区（熊石地域）で大きく異なる地理的特徴が見られます。東部地区は、河川が扇状に広がり、平地や丘陵地が広がる一方、西部地区は標高1,000mを超える山々が連なり、急峻な斜面と段丘が海岸線まで迫り、平坦地は少なく森林が大部分を占めています。海岸線は多くが岩礁地帯となっており、見市川流域や海岸の一部は檜山道立自然公園に指定されています。

地形

山地

主な山としては、遊楽部岳、冷水岳、太櫓岳、ペンケ岳など多くの山々が存在します。

河川

遊楽部川、砂蘭部川、野田追川、落部川、見市川など多くの河川が流れています。

湖沼

相沼内湖（ダム湖）などがあります。

気候

気候は、太平洋側（八雲地域）と日本海側（熊石地域）で大きく異なります。太平洋側はオホーツク海高気圧の影響を受け、冷涼な海洋性気候で、年平均気温は約7.9℃です。夏には霧が発生することもあります。一方、日本海側は対馬暖流の影響を受け、比較的温暖で、年平均気温は約9.3℃です。降水量は、太平洋側では夏が多く冬が少ないのに対し、日本海側では冬が多く夏が少ない傾向があります。

歴史

旧八雲町

江戸時代にはアイヌとの交易拠点として和人が住み始め、1801年には日本最北の関所「山越内関門」が設置されました。1878年には、徳川慶勝が旧臣の生計確保のため開拓を行い、移住者を受け入れました。1881年には黒岩とともに八雲村となり、国道の開通により役場などが山越内村から八雲村に移転し、1902年には八雲村と山越内村が合併して八雲村となりました。

旧熊石町

鎌倉時代後期には日蓮の六老僧の一人である日持が訪れた記録が残っています。1691年には番所が移され、当時の日本最北端の地となりました。1741年の渡島大島（松前大島）の噴火で被害を受けましたが、その後、有力者の移住によって復興が進み、ニシンの千石場所として栄えました。1873年に戸長が任命され、1902年に熊石村として発足し、1962年には町制施行により熊石町となりました。

行政

八雲町役場を中心に、落部支所、熊石総合支所、相沼泊川出張所が設置されています。また、多くの国や道、独立行政法人の機関も町内に存在しています。

経済

八雲町は、農業、漁業が盛んな町です。農業では、ジャガイモ、ネギ、もち米などの生産が盛んで、酪農は道南随一の規模を誇り、「北海道酪農発祥の地」とも言われています。漁業では、太平洋と日本海に面していることから、豊富な水産資源に恵まれ、ホタテガイやアワビの養殖が盛んです。熊石沖では海洋深層水の取水も行われています。工業団地や企業誘致用地も整備されており、多様な産業が発展しています。商業施設としては、スーパーマーケット、ドラッグストアなどが町内に多数あります。

教育

高等学校、中学校、小学校、幼稚園、保育園、特別支援学校など、教育施設が充実しています。日本大学や北里大学の付属施設も存在します。

交通

鉄道はJR函館本線が通っており、バス路線も充実しています。また、道央自動車道も通っており、自動車でのアクセスも容易です。将来的な北海道新幹線延伸に伴い、新八雲駅（仮称）の開業も予定されています。

文化

多くの祭りや催事が開催され、地域住民の交流が盛んです。特産品として、牛乳などの乳製品、北里八雲牛、バター飴、木彫り熊などが有名です。

観光

重要文化財、有形文化財、名勝、天然記念物など、多くの文化財や観光スポットがあります。梅村庭園、奇岩雲石、温泉なども人気の観光地です。

その他

消滅集落、人口、隣接自治体、姉妹都市・提携都市、出身・関連著名人などの情報も、八雲町を理解する上で重要な要素です。

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