山路勝彦

山路 勝彦（やまじ かつひこ）について

山路勝彦は1942年に東京都で生まれた、日本の著名な文化人類学者であり、関西学院大学の名誉教授です。彼の研究は文化人類学や社会人類学に焦点を当てており、その分野において多くの貢献をしています。特に、台湾やオーストラリア、トンガ、パプアニューギニアなどの地域における社会人類学的研究が評価されています。

学歴と経歴

山路は1973年に東京都立大学大学院博士課程を修了し、社会人類学を専攻していました。1988年には関西学院大学において学位論文を提出し、社会学博士の学位を得た後、同大学で長年にわたり教鞭を執りました。彼の研究は、文化や社会の多様性、歴史的背景、そして植民地主義や博覧会といったテーマを広く扱ってきました。

研究の焦点

特に興味を持っている研究領域としては、台湾の先住民族やアボリジニーズといった集団が挙げられます。これらの民族や文化に関する調査を通じて、彼は独自の視点から社会人類学の理論を展開しています。さらに、近年は「昭和史」に関する研究にも注力しており、日本の歴史に対する新たな視点を提供しています。

主な著書

山路の著作は多岐にわたり、単著だけでも数多くの書籍を執筆しています。その中には、以下のようなタイトルがあります：

• - 『家族の社会学』（1981年、世界思想社）
• - 『台湾の植民地統治 〈無主の野蛮人〉という言説の展開』（2004年、日本図書センター）
• - 『近代日本の海外学術調査』＜日本史リブレット64＞（2006年、山川出版社）
• - 『近代日本の植民地博覧会』（2008年、風響社）
• - 『台湾タイヤル族の100年』（2011年、風響社）
• - 『大阪、賑わいの日々（二つの万国博覧会の解剖学）』（2014年、関西学院大学出版会）
• - 『地方都市の覚醒（：大正・昭和戦前史　博覧会編）』（2017年、関西学院大学出版会）

また、共編著としては、山路勝彦・田中雅一『植民地主義と人類学』（2002年、関西学院大学出版会）や、山路の編著による『日本の人類学：植民地主義・異文化研究・学術調査の歴史』（2011年、関西学院大学出版会）などが存在します。これらの著作を通じて、山路は日本の人類学に関する重要な文献を提供し、社会科学の進展に寄与してきました。

まとめ

山路勝彦は、文化人類学や社会人類学の分野における深い知見と独自の視点を持つ研究者です。彼の研究は、特に台湾とオーストラリアの文化に関連しており、植民地主義や博覧会のテーマにおいても特筆すべきものです。また、昭和史を通して、歴史的視点を加えた社会学的アプローチを展開し、愛好者や研究者にとって貴重な資料となっています。

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