山野浩一

山野浩一について

山野浩一（やまの こういち、1939年11月27日 - 2017年7月20日）は、日本の著名な競馬評論家であり、小説家、脚本家、漫画原作者としても知られる。また、鉄道趣味者としての一面も持っています。出身地は大阪府大阪市港区です。

学生時代と初期の活動

彼は大阪市立昭和中学校を卒業後、大阪府立住吉高等学校に進学します。1年間の浪人を経て、1959年には関西学院大学法学部に入学しました。大学は阪神競馬場の近くに位置しており、彼はそこで多くの競馬好きの仲間と出会いました。また、「映画研究部」に参加し、1960年には自ら脚本と監督を務めた短編映画『デルタ』を制作します。この作品はテレビでも放映され、出会った寺山修司と共に交流を深めるきっかけとなりました。

文芸活動の開始

1962年に大学を中退した後、コマーシャル映画のプロダクションで1年間働いた後、シナリオ学校に通い、高名な作家たちと出会います。寺山修司からの勧めで、1964年に戯曲『受付の靴下』と小説『X電車で行こう』を執筆し、後者が特に評価されて作家デビューを果たしました。この作品はSFの要素を含むもので、当時の文学界で注目を集めました。

SF界での活躍

山野はその後、『SFマガジン』などでSF小説や評論の執筆を行い、原作や脚本としても活躍します。特に、1969年に執筆した評論「日本SFの原点と指向」では、日本のSF作家たちをアメリカSFの模倣をする存在として批判し、荒巻義雄との論争が生じました。彼はまた、ニュー・ウェーブSF運動に共鳴し、1970年代には自ら『季刊NW-SF』を創刊し、日本におけるSF文学の発展に寄与します。これにより、多くの作家たちと共に文学的な革新を目指しました。

競馬界への貢献

競馬においても影響力を持つ彼は、1965年には競馬関連の原稿を書くようになり、特に競走馬の血統に関する書籍を多数執筆しました。1977年に出版された『サラブレッド血統事典』は、当時としては異例のヒットを記録し、競馬関係書籍として大きな評価を得ました。また、1990年には『サラブレッドの誕生』でJRA賞馬事文化賞を受賞し、地方競馬界でも多くの功績を残しています。

晩年と遺産

晩年は食道がんという病気に苦しみながらも、文化活動を続けました。彼の死去後、2017年には第38回日本SF大賞功績賞が贈られ、その遺産は現在も多くの人々に影響を与え続けています。山野浩一はその多岐にわたる活動を通じて、文学や競馬文化の発展に寄与した重要な人物でした。

主な著作

彼の著作には、小説、評論、競馬関係の書籍が多数あります。また、彼の名を冠した文庫作品も刊行され、その作品は今なお多くのファンに親しまれています。

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