山錦喜章

山錦喜章（やまにしき よしあき）は、1965年5月22日に静岡県伊豆市で生まれ、出羽海部屋に所属した元大相撲力士です。本名は冨安喜章（旧姓は山崎）。身長174cm、体重141kgと、力士としては比較的小柄ながら、突きと押しを武器に土俵で活躍しました。血液型はB型で、最高位は西十両10枚目です。

中学校時代はバレーボール部に所属し、センターセッターを務めていました。しかし、父親の「お前は野球の選手か力士にしたかった」という言葉と、その死をきっかけに、角界入りを決意。元出羽海部屋の力士の紹介で、中学校卒業後に出羽海部屋に入門しました。

1981年3月場所に15歳で初土俵を踏むと、約4年で幕下に昇進。しかし、幕下では苦戦が続き、なかなか上位に定着できませんでした。それでも、1989年1月場所に幕下優勝を果たすと、ようやく幕下上位に定着。そして、1990年11月場所には念願の十両昇進を果たしました。新十両の場所では8勝7敗と勝ち越しましたが、翌1991年1月場所では2勝13敗と大きく負け越し、幕下陥落となってしまいます。

幕下陥落後は、幕下下位での相撲が続き、1992年11月場所には三段目まで番付を下げました。そして、1993年1月場所に27歳で廃業。短い現役生活に幕を閉じました。通算成績は266勝247敗、勝率は.519、十両成績は10勝20敗、勝率.333。現役在位は72場所、十両在位は2場所でした。

引退後は、日本相撲協会の営繕部職員として、国技館の施設管理に携わっています。特に、国技館の太鼓櫓の櫓組みを手伝うなど、力士時代とは異なる形で相撲界に貢献しています。また、危険物取扱者の資格取得のため、東京都立一橋高等学校の定時制にも通い、高校卒業資格を取得するなど、自己研鑽にも励んでいます。

山錦は、現役時代には幕下優勝1回（1989年1月場所）を経験しています。改名歴は、1981年3月場所から1987年1月場所までは「山崎喜章」、1987年3月場所からは「山錦喜章」として土俵に上がりました。

山錦喜章の相撲人生は、決して平坦な道ではありませんでしたが、その真摯な姿勢は多くの人々に感銘を与えました。引退後も相撲界を支える彼の活動は、今後も注目されるでしょう。

参考文献：
大相撲力士名鑑平成13年版、水野尚文、京須利敏、共同通信社、2000年、ISBN 978-4764104709

関連情報：
大相撲力士一覧
山錦 喜章 - 相撲レファレンス

もう一度検索