山陰新幹線

山陰新幹線の基本計画と進捗

山陰新幹線（さんいんしんかんせん）は、大阪府の大阪市から鳥取県の鳥取市、島根県の松江市を経由し、山口県下関市までを結ぶ高速鉄道路線に関する基本計画です。この計画は1973年に策定され、全国新幹線鉄道整備法に基づいて発表されました。しかし、計画以来、具体的な建設が進んでいないのが現状です。

評価と背景

1970年代初めには、日本の経済成長を後押しするために新幹線の整備が期待されていましたが、オイルショックにより経済は停滞し、他の整備新幹線の建設が凍結されました。そのため、山陰新幹線も実際に進められることはなく、計画が事実上中断された状態が続いています。

計画されている山陰新幹線は、全長約550 kmで、建設にかかる費用は約4兆円に上ると試算されています。この路線が完成すれば、中国横断新幹線との連携も期待されますが、その後の進展は見られません。

整備を求める運動

2013年には、「山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議」が設立され、鳥取市長が会長に就任しました。この会議は、6つの府県から構成されており、山陰地方の振興を目的とした新幹線の整備を強く推進しています。特に、リニア方式による整備が提案されており、この方法では、東京から福岡への移動ルートの一部になることが予測され、経済波及効果の大きさが期待されています。

具体的な試算では、リニア方式での整備にかかる建設費は約13兆3537億円、便益は約18兆7900億円、経済波及効果は年間1590億円と見込まれています。一方、在来型新幹線方式での整備の場合、建設費は約3兆910億円、便益は約3兆3789億円、年間の経済波及効果は377億円とされています。

交通への影響

もし山陰新幹線が実現すれば、鳥取と大阪間の所要時間は現在の約2時間半から、1〜1.5時間に短縮される見込みで、松江と大阪間の移動も約1.5〜2時間に改善されることでしょう。これにより、鳥取県や島根県の人口が増加する可能性も示唆されています。

ルート選定と地域活性化

2016年から2017年にかけては、北陸新幹線のルート検討が行われ、早期実現のために一部区間の共通化が提案されました。また、京都府北部の地域でも山陰新幹線の誘致活動が進んでおり、国交省においても南丹市付近に駅を設置する可能性が調査される方向になっています。

関連する組織

山陰新幹線の整備を推進するため、多くの組織が設立されました。主要な組織には、山陰新幹線建設促進期成同盟会や山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議、国会議員の会などがあります。これらの団体は、山陰新幹線の早期実現に向けた活動をしており、地域間の連携や経済的波及効果の重要性を訴えています。

結論

山陰新幹線の整備は、多くの地域にとっての経済的な礎であり、地域活性化のニーズが高まっています。計画の実現に向けたさらなる取り組みが期待され、地域間の結びつきを強める重要な役割を果たすことになるでしょう。

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