山陽コカ・コーラボトリング

山陽コカ・コーラボトリング株式会社：歴史と工場

山陽コカ・コーラボトリング株式会社は、かつて日本に存在したコカ・コーラボトラーであり、現在はコカ・コーラウエストの一販売地域となっています。ここでは、その設立の背景から、事業の展開、そして北九州コカ・コーラボトリングとの合併に至るまでの歴史を詳細に解説します。

設立の背景

1962年、日本冷蔵（現ニチレイ）が中心となり、昭和炭酸、昭和電工、東洋製罐、日本硝子など、多くの企業や財界人が出資して設立されました。販売地域は広島県、岡山県、鳥取県、島根県、山口県をカバーしていました。

沿革

1962年
9月：日本冷蔵の役員会でコカ・コーラ事業への参入が決定されました。
12月：日本冷蔵、昭和炭酸、昭和電工を中心に「山陽飲料株式会社」設立発起人会が開催されました。
1963年
1月：山陽飲料株式会社が設立され、同年2月には中国地方5県下でコカ・コーラ製品販売に関する権利を取得しました。
3月：営業を開始。当初は工場が未完成だったため、中京コカ・コーラボトリングから製品を調達していました。
8月：社名を山陽コカ・コーラボトリング株式会社に変更しました。
1964年
4月：本社および広島工場が竣工しました。
1965年
6月：他ボトラーからの仕入れでコカ・コーラホームサイズが発売されました。
1967年
4月：岡山工場が竣工し、操業を開始。これにより、ホームサイズの自社生産が可能となりました。
1969年
3月：山口工場が竣工し、操業を開始しました。
1970年
5月：広島工場第二ラインが完成し、レギュラーサイズおよびホームサイズの生産を開始しました。
1971年
7月：福山工場が竣工し、操業を開始しました。
1972年
5月：米子工場が竣工し、操業を開始しました。
1973年
5月：キャンニング専用として本郷缶詰工場が竣工。当時の生産能力は1分間で250ml缶×1200、350ml缶×1400でした。
1975年
7月：ジョージアコーヒー250g缶を発売しました。
1976年
8月：HI-Cエード缶の製造を開始。日本コカ・コーラを通じて、各地のボトラーに供給されました。
1977年
4月：岡山工場の生産ラインをリットルサイズ専用に改造し、コカ・コーラ1リットルびんを広島・岡山地域で先行発売（7月から全域で販売開始）。
1978年
6月：リフトオレンジ缶の製造を開始。製品は長野コカ・コーラボトリングなどにも出荷されました。
1979年
5月：広島工場第一ラインをリットルサイズ専用に変更しました。
8月：大阪証券取引所第二部および広島証券取引所（両市場とも現在の東京証券取引所）に株式を上場しました。
1981年
11月：低カロリーの柑橘風味炭酸飲料フレスカ250ml缶および1リットルびんの販売を開始しました。
1982年
1月：岡山工場を廃止。山口工場を休止しました。
3月：福山工場のレギュラーサイズ専用ラインをスーパー300およびリアルゴールド製造可能な設備に改造しました。
1983年
本郷工場にジョージアコーヒー生産ラインを設置しました。
2月：米子工場を廃止しました。
3月：広島工場の第一ラインを1.5リットルPETボトル生産も可能な施設に改造。4月からコカ・コーラ1.5リットルPETボトルの販売を開始しました。
1985年
3月：本社を広島市中区東千田町二丁目11番20号のニチレイビルに移転しました。
1990年
3月：福山工場を廃止。ワンウェイびん製品の製造ラインを広島工場に集約しました。
1999年
7月：北九州コカ・コーラボトリング株式会社と合併し、商号を（初代）コカ・コーラウエストジャパン株式会社に変更。大阪証券取引所市場第一部および広島証券取引所に株式を上場しました。

工場一覧

本郷工場（H→SHO）
1973年に本郷缶詰工場として開設。当初は日本コカ・コーラの工場として建設される予定でした。当時の世界最高水準を誇った250ml・350ml兼用の高速キャンニングラインを二つ持ち、その製品は山陽地域のみならず他地域にも出荷されました。当初キャンニング設備を持っていなかった沖縄コカ・コーラボトリングは当工場で製造された製品を調達し販売していました。
広島工場（本社移転後K→SHI）
旧本社併設工場として開設。長年に渡りびん製品の製造拠点として機能。1980年代にはPET製品の製造も開始され他品種・サイズの生産が可能となりました。
福山工場（F）
レギュラーサイズ専用の1ラインでスタートし、80年代初頭にリアルゴールドやスーパー300等ワンウェイびん製品の製造も可能な兼用ラインなる。1990年閉鎖。跡地には「ショッピングプラザ サファ福山」が所在します。
岡山工場（O）
レギュラーサイズ・ホームサイズ兼用の1ラインでスタートし、1977年にリットルサイズ専用ラインに変更するも、工場集約の流れを受け1982年閉鎖。
山口工場（Y）
レギュラーサイズ・ホームサイズ兼用の1ラインでスタート。工場集約の流れを受け1982年に設備を休止し後に閉鎖。
米子工場（S）
* レギュラーサイズ・ホームサイズ兼用の1ラインでスタート。工場集約の流れを受け1983年閉鎖。

※工場名の後ろは製造所固有記号

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