岐阜駅前駅

岐阜駅前駅の概要と歴史

岐阜駅前駅（ぎふえきまええき）は、岐阜県岐阜市に位置する名古屋鉄道（名鉄）岐阜市内線に属する停留場でした。通常の駅とは異なり、停車場という位置づけであり、独特な運用形態を持っていました。

運行と時刻表の特徴

当駅では、黒野行きの直通電車のみの運行が行われていましたが、特に朝の7時台と昼の10時から午後4時台にかけては時刻表が空白でした。この状況は、交通渋滞などの影響を受け、電車が新岐阜駅前で折り返すことがあるとされていました。そのため、急いでいる乗客は新岐阜駅前までの移動を推奨されていました。実際、駅から乗車できない場合があったり、反対側の忠節方面からの乗客が降りられないケースもありました。

歴史的背景

岐阜駅前駅の歴史は1913年（大正2年）にさかのぼります。この年に美濃電気軌道の駅前停留場として開業しました。これは、省線岐阜駅の移転に伴うもので、当初の停留場はその後長住町停留場と改称されました。その後の1943年（昭和18年）、新岐阜停留場を統合し、1948年（昭和23年）には岐阜駅前駅と名称が変更されました。

本駅は1952年（昭和27年）に現在地に移転し、運行が続けられていましたが、2003年（平成15年）の12月1日には、駅前整備のために運行を休止しました。廃止が決定されたのは2005年（平成17年）4月1日で、運行再開は叶わず、廃駅となりました。これは、他の区間に先立って行われた廃止であり、岐阜市内線全体が廃止される道を辿ることとなりました。

駅の構造

廃止時には、岐阜駅前駅は単式1面1線の構造を持ち、名鉄の併用軌道の中で唯一安全地帯が設けられている停留所でした。この安全地帯と歩道は、地下道で繋がれており、利用者にとって一定の安全対策が施されていました。また、廃止直前には新岐阜駅前駅、徹明町駅、西野町駅に仮設の安全地帯が設けられましたが、これはあくまで実験的なものであったため、すぐに撤去されました。

再開発とその行方

駅前再開発においては、岐阜駅北の再開発エリアに岐阜駅前駅が移転する計画があったものの、岐阜市内線が廃止される運命によりこの計画は実現しませんでした。2024年現在、岐阜駅北口広場にはモ510形（513）が静態保存されており、この保存は岐阜駅前駅の影を意識したものとされています。この場所には道路から延びる線路や石畳、ホームなどが再現され、当駅の歴史を物語っています。

隣接駅

岐阜駅前駅の隣には、新岐阜駅前駅が存在しており、名古屋鉄道の岐阜市内線において重要な役割を担っていました。

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