岡川恵美子

岡川恵美子の卓越したテニス人生

岡川恵美子は1964年12月26日、東京都杉並区で生まれました。彼女は神奈川県立市ケ尾高等学校を卒業し、1980年代には日本女子テニス界の先駆者の1人として方を幅広に知られています。同学年の井上悦子、岡本久美子と共に「3人娘」と称され、彼女たちの活躍は当時のテニス界において大きな影響を与えました。

また、岡川は「リキ丸」という愛称で親しまれています。このニックネームは、彼女の強力なフォアハンドストロークと丸みのある体型から名付けられたものです。1993年には結婚して坂口恵美子という名前になりました。

幼少期とテニスの始まり

岡川は、1歳の時に父親の転勤に伴い大阪で9歳まで過ごしました。7歳から帝塚山ローンテニスクラブでテニスを始め、そこで根来康夫コーチの指導を受けました。同じクラブには岡本久美子がいて、二人は子供の頃からの友人でもありました。9歳で東京都文京区に移った後も、岡川は根来コーチのもとで青葉台ローンテニスクラブで練習を続けました。

テニスにおいて頭角を現したのは中学の頃で、全日本ジュニアテニス選手権の14歳以下部門で優勝。さらに、16歳以下部門や全国中学生選手権でも好成績を収め、全国レベルの選手としての地位を確立しました。中学3年生の時には、井上悦子と岡本久美子と共に「中3トリオ」と呼ばれ、進学後は「高校3羽カラス」としても親しまれました。

プロテニス選手としてのキャリア

1982年、岡川は全日本テニス選手権で女子シングルス決勝に挑戦し、柳昌子を破って最年少で優勝を果たしました。この勝利により、彼女は日本初の「高校生プロテニス選手」となり、1983年には女子テニス国別対抗戦「フェデレーション・カップ」の日本代表選手にも選出されました。

彼女の4大大会デビューは1984年の全仏オープンで、予選を勝ち抜いて本戦1回戦に進出。しかし、本戦ではアメリカのロリ・マクニールに敗れました。1985年には再び全仏オープンに出場し、「ラッキー・ルーザー」として本戦に繰り上がり出場。対戦相手は当時の第11シード、シュテフィ・グラフでした。驚くべきことに、岡川はグラフ相手に善戦し、7-6, 6-4のスコアで敗れたものの、その試合は記憶に残るものとなりました。その後の彼女の全大運動大会での最高成績は1988年の全豪オープンでの3回戦進出でした。

逆境を乗り越えて

1988年に右足首を剥離骨折し、長期間の低迷を余儀なくされた岡川ですが、1990年に全日本テニス選手権で見事に復活し、8年ぶりの優勝を飾りました。準々決勝では伊達公子、準決勝では岡本久美子を破り、決勝戦では雉子牟田明子に勝利してその栄誉を獲得しました。その後も1991年と1993年に全日本選手権の決勝に進出しましたが、両年とも敗れました。

結婚後、坂口恵美子として子供をもうけ、ママさんプロとしても活動。2001年には自伝『リキ丸のテニスがくれた贈り物』を刊行し、彼女のテニス人生を振り返りました。これ以降も、40歳以上の部門でのトーナメントで活躍し、女子シングルスで5連覇を成し遂げました。

岡川恵美子は、その経歴と今なおテニス界で活動を続ける姿勢により、世代を超えた多くのテニスファンに愛される存在です。

もう一度検索