ロリ・マクニール

ロリ・マクニール：記憶に残る活躍を見せたベテランテニスプレーヤー

ロリ・マクニール（Lori McNeil, 1963年12月18日 - ）は、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ出身の元女子プロテニス選手。
1983年から2002年まで約20年間もの間、世界の舞台で活躍し続けたベテラン選手です。4大大会では、女子シングルスで2度ベスト4に進出、全仏オープン混合ダブルス優勝など、輝かしい成績を残しました。

WTAツアーではシングルス10勝、ダブルス32勝を誇り、自己最高ランキングはシングルス9位、ダブルス4位を記録しています。身長170cm、体重61kg、右利き。

プロとしての躍進

1983年にプロ入りすると、すぐにダブルスでその才能を発揮し始めます。1986年には、女子ツアー大会のシングルスで初優勝を飾り、その年に年間2勝を挙げるなど、目覚ましい活躍を見せました。

1987年には、全豪オープンでベスト8に進出。しかし、この試合では第2シードのハナ・マンドリコワに手も足も出ず敗退。続く全米オープンでは、準決勝でシュテフィ・グラフと対戦し、敗れはしたものの、ベスト4入りを果たしました。

この全米オープン準々決勝では、第3シードのクリス・エバートを破るという殊勲を挙げました。この勝利によって、エバートが1974年から1986年まで続けてきた4大大会連続優勝記録が途絶え、女子テニス界の歴史に新たな1ページが刻まれました。

1987年から1989年までの3年間、マクニールは女子ツアーのダブルスで年間5勝を記録するなど、ダブルスプレーヤーとしての存在感も示しました。

全仏オープン混合ダブルスでの栄光

マクニールは、1987年と1988年の全仏オープン混合ダブルスで、2年連続で決勝に進出しました。1987年はシャーウッド・スチュワートとのペアで準優勝に終わりましたが、1988年にはホルヘ・ロザノとのペアで悲願の優勝を果たしました。

1992年にも、ブライアン・シェルトンとのペアで全仏オープン混合ダブルス決勝に進出しましたが、トッド・ウッドブリッジ＆アランチャ・サンチェス・ビカリオ組に敗れ、準優勝に終わっています。

グラフを破ったウィンブルドン

ロリ・マクニールの名前がテニス史に刻まれたのは、1994年のウィンブルドンでの出来事でしょう。1回戦で、当時3連覇中だった第1シードのシュテフィ・グラフをストレートで破るという、大波乱を巻き起こしました。

ウィンブルドン選手権の女子シングルスにおいて、大会前年優勝者が1回戦で敗退したのは史上初の出来事でした。マクニールは、その勢いに乗って自身2度目の4大大会準決勝まで進出しましたが、第3シードのコンチタ・マルティネスにフルセットの末に敗れ、決勝進出はなりませんでした。この大会ではT・J・ミドルトンとペアを組んだ混合ダブルスでも準優勝しています。

日本での活躍

マクニールは、日本のトーナメントでも好成績を残しています。1989年の「東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメント」では準優勝、1991年の「サントリー・ジャパン・オープン」では優勝を果たしました。

1989年の東レ決勝では、マルチナ・ナブラチロワに惜しくも敗れましたが、1991年のジャパン・オープンではサビーネ・アペルマンスを破って優勝を飾りました。

引退

マクニールは、1999年4月に女子ツアーのシングルスから引退しましたが、ダブルスでは2002年まで現役を続けました。2001年にはアマンダ・クッツァーとペアを組み、2つのダブルス・タイトルを獲得。最後の年となった2002年も、全豪オープン女子ダブルスでクッツァーとのペアで準々決勝に進出しています。

ロリ・マクニールは、2002年全米オープンの女子ダブルス1回戦敗退を最後に、38歳で現役を引退しました。

主な戦績

全仏オープン　混合ダブルス優勝：1988年
ウィンブルドン　女子シングルス・ベスト4：1994年
* 全米オープン　女子シングルス・ベスト4：1987年

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