岡本一郎

岡本 一郎

岡本 一郎（おかもと いちろう、1935年 - 2022年7月1日）は、日本の指揮者およびリュート奏者として名を馳せた人物です。特に日本初の古楽アンサンブルであるダンスリールネサンス合奏団のリーダーとしての功績が広く知られています。

経歴

1935年、大阪に生まれた岡本は、関西学院大学経済学部を卒業後、ギリシャ国立音楽院で学びました。彼の音楽のキャリアは1972年に設立したダンスリールネサンス合奏団から始まりました。このアンサンブルは、当時の日本ではあまり知られていない古楽器を用いて、中世やルネサンスの音楽を演奏することに特化していました。

岡本は、古楽器、例えばリュート、ヴィオール、レベック、シターン、クルムホルン、サズ、カヌーンなどを駆使し、独自の演奏スタイルを確立しました。彼は中世およびルネサンス音楽の先駆者として日本の音楽界に多大な影響を与え、長い歳月にわたり第一線で活動し続けました。

1982年には、ダンスリールネサンス合奏団として東京にある駐日フランス大使館で行われたミッテラン大統領主催の答礼晩餐会に招かれ、昭和天皇も出席する中で演奏を行うという名誉を得ました。

私生活と音楽教育

岡本はフランス人の画家でデザイナーであるマリヴォンヌ・ナジェル・岡本と結婚しました。彼女はダンスリールネサンス合奏団においてコーディネーターとして活動し、アンサンブルのジャケットデザインやプロモーションにも関与しました。さらに、岡本は多くの優れた門下生を育成しました。特に、ギタリストの藤井眞吾、藤井敬吾、リュート奏者の佐野健二や野入志津子らが彼の指導を受け、音楽シーンで活躍しています。

また、岡本は相愛大学や同志社女子大学の講師を歴任し、現在は関西学院大学のマンドリンクラブの技術顧問として後進の指導に力を入れています。

阪神・淡路大震災

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、岡本の自宅がある兵庫県西宮市仁川が被災し、同居していた父を亡くすという悲劇に見舞われました。この経験は、彼の人生と音楽に何らかの影響を与えたでしょう。

死去

岡本一郎は2022年7月1日に敗血症によりこの世を去りました。日本の古楽界における彼の足跡は色褪せることなく、今も多くの人々に影響を与え続けています。彼の生涯と音楽への情熱は、後世にわたり語り継がれることでしょう。

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関連項目

• - ダンスリールネサンス合奏団
• - 松井智恵 - メンバーのソプラノ声楽家
• - つのだたかし - 古楽アンサンブルタブラトゥーラを結成したリュート奏者

外部リンク

ダンスリールネサンス合奏団 - ウェイバックマシン（2001年5月3日アーカイブ分）

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