岡本健三郎

岡本健三郎：激動の時代を駆け抜けた土佐の志士

岡本健三郎（おかもと けんざぶろう）は、天保13年（1842年）に土佐国で生まれ、幕末から明治にかけて活躍した人物です。土佐藩士として、また政治家、実業家として、激動の時代を駆け抜けました。実名は養方（やすかた）といいます。

幕末の動乱期

岡本健三郎は、土佐藩士・岡本亀七と寅の間に、土佐郡一宮で誕生しました。土佐藩の下横目を務める傍ら、坂本龍馬らと親交を深め、国事に奔走しました。慶応3年（1867年）には、龍馬とともに由利公正を訪ね、維新後の経済政策について意見を交わしています。このことからも、岡本が早い段階から日本の将来を見据えて行動していたことが伺えます。

明治維新後の活躍

明治維新後、岡本は新政府に出仕し、大阪府で土木頭、治部司などを歴任しました。その後、太政官権判事、大蔵大丞といった要職を歴任し、政府の中枢で活躍しました。明治5年（1872年）には、博覧会用務でオーストリアへ派遣されるなど、国際的な舞台でも活躍しました。

民権運動への参加と投獄

明治6年（1873年）、明治六年政変が起こると、板垣退助らとともに下野し、民選議院設立建白書を作成しました。これは、国民が選んだ代表者による議会開設を求めるもので、自由民権運動の先駆けとなりました。しかし、明治11年（1878年）には、立志社の獄で小銃の弾薬購入を企てたとして投獄されてしまいます。これは、政府に対する抵抗の意志を示した行動と見なされました。

実業家としての晩年

出獄後、岡本は自由党に加入し、政治活動を続けながらも、実業家としての活動を開始しました。そして、明治18年（1885年）には、同じ土佐出身の岩崎弥太郎が設立に関わった日本郵船の理事に就任しました。これは、岡本が政治の世界から実業界へと転身し、新たな分野で才能を発揮したことを示しています。

岡本健三郎は、明治18年（1885年）12月26日にその生涯を閉じました。激動の時代を生き抜き、日本の近代化に貢献した彼の功績は、今もなお語り継がれています。

岡本健三郎が登場する作品

岡本健三郎は、その波乱万丈な生涯から、様々な創作作品の題材となっています。

漫画: 『お～い!竜馬』（小学館） - 脱藩して海援隊隊士となる姿が描かれています。
テレビドラマ: 『龍馬伝』（2010年、NHK大河ドラマ、演：岡田正） - 坂本龍馬とともに活躍する姿が描かれています。

これらの作品を通して、岡本健三郎の生き様や人物像に触れてみるのも良いでしょう。

もう一度検索