岡本正親

岡本正親（おかもと まさちか）

岡本正親は戦国時代の武将で、下野国の出身です。彼は紀清両党の一派、芳賀氏の庶流である岡本氏に属し、歴史的な人物として知られています。彼の居城は現在の栃木県矢板市に位置する松ヶ嶺城であり、正親はこの城で生まれたと伝わっています。

出生と家系の背景

正親は下野国の塩谷郡にて、塩谷氏の重臣である岡本正重の子として誕生しました。正重は天文14年、佐久山の戦いで討死となり、その後、正親が家督を相続することとなります。岡本家の系図では、正親は初代の富高から数えて5代目の当主とされていますが、正親の祖父である重親とその父、正高との親子関係に疑問があるため、この5代目という位置付けは慎重に考慮が必要です。

塩谷家中での活動

岡本家は長い間、塩谷氏の重臣として仕えてきました。正親の姉は主君の義孝の側室となり、その子の義通も岡本家と縁を結びましたが、こうした関係は正親と義通の弟である義綱との間に摩擦を生むこととなり、正親は一時的に塩谷の地から追放されることとなりました。正親はその後、皆川広照に仕官し、塩谷を離れることになります。

天正12年、正親にとって厳しい悲劇が伺えます。この年の5月、正親は自らの息子である正富と照富を佐野沼尻の戦いで失い、心の底からうちひしがれました。この喪失の痛みから、正親は出家し、高野山に向かいます。

その後、正親に転機が訪れます。塩谷の家臣として復帰する中で、豊臣秀吉との接点が見出されました。秀吉との面会を果たし、その後の支援を受けることで彼は塩谷家臣として再び活躍することになります。この間、正親は小田原征伐にも参陣し、その成果が認められ、秀吉から所領を安堵されることとなりました。

塩谷氏からの独立

正親は塩谷氏から独立した後、居城を松ヶ嶺城から泉城へと移しました。この城の改修が完了したのは慶長2年頃で、その後は松ヶ嶺城を廃城としました。彼はまた、亡き子供たちのために新たな菩提寺である鏡山寺を設立し、これが岡本家の新たな霊廟となりました。

しかし、正親は嫡子を失ったため、姉の子であり義通の子供たちを養子として迎え、家の存続を図ります。そして、最終的に義保に岡本家の家督を譲り、正親自身は隠居生活を送りました。

死去

岡本正親は慶長7年に75歳で亡くなりました。彼の生涯は戦国時代の波乱に満ちたものであり、武士としての生き様と家族に絞り込まれた思いが垣間見えます。正親の物語は彼の出身地や家族の関わりを通じて、当時の人々の複雑な人間関係と背景を物語っています。

彼の人生を通じて学べることは、家族や忠義、そして個人の信念がどのように織り成す現実なのかということです。

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