岡本製作所

概要

株式会社岡本製作所は、大阪市福島区に本社を置く機械メーカーです。主に遊園地向けの遊具製作、販売、施設の運営受託などを手がけており、特に不要となった遊具の再生や、再生遊具を活用した遊園地の自社運営事業で注目を集めています。

沿革

同社の起源は1924年（大正13年）、岡本之治氏が兵庫県尼崎市で創業した岡本娯楽製作所にあります。当初はパチンコ台などの娯楽機械の製造販売を行っていましたが、太平洋戦争中は自動車部品製造に転換しました。戦後、1951年には長男の明三郎氏により株式会社岡本製作所として法人化されました。三男の昌明氏（現会長）は後に別の遊具メーカーである明昌特殊産業を設立しましたが、岡本製作所は創業以来、遊具メーカーとしての道を歩み続けました。

事業内容

遊具の製作・販売・運営受託

長年にわたり、ローラーコースターを含む様々な遊園地遊具の製造・販売を行い、国内外の遊園地に供給しています。また、遊園地の運営を受託する事業も展開しています。

遊具再生事業

1990年代以降の国内遊園地閉鎖の増加を受け、同社は閉園などで不要となった遊具を買い取り、全国5ヶ所（大阪府茨木市など）の自社工場で新品同様に修繕・再生する事業を開始しました。高品質な日本製の再生遊具は、その安全性から中古品でありながら十分なアトラクション価値を持つとされ、新品の約3分の1という価格で国内遊園地に販売されたり、イベントに貸し出されたりするほか、中国や東南アジアなど海外にも輸出されています。この事業は、特に経営が厳しい遊園地にとって設備投資を抑える大きな助けとなる一方、資源の有効活用にも貢献しており、遊具業界における新たなビジネスモデルとして高く評価されています。

遊園地運営事業

遊具再生事業と密接に関わる形で、経営難に陥った遊園地を譲り受け、自社で再生・運営する事業も積極的に行っています。再生した遊具を有効活用することで、初期投資を抑えつつ、魅力的な遊園地を再建することを目指しています。運営する遊園地では、幅広い客層、特にファミリー層をターゲットに、メリーゴーラウンドや観覧車などの定番遊具を中心に配置するほか、利用者が分かりやすいよう、すべてのアトラクションの料金を均一（300円など）に設定するなど、独自の運営方針を取り入れています。これまでに、

ワンダーランドASAMUSHI（青森県、現在は廃業）
恵那峡ワンダーランド（岐阜県）
* ラクテンチ（大分県）

といった国内の複数の遊園地の再生を手がけ、成功させてきました。海外においても、ベトナムでサイゴン・ワンダーランドを合弁で運営するなど、遊園地事業の展開を進めています。

その他

過去には、大分県のラクテンチにおいて、遊園地と共に運営されていたケーブルカー（鋼索鉄道）の運行を2003年から2018年まで担っていた時期があります。

まとめ

株式会社岡本製作所は、創業以来培ってきた機械製造技術を基盤に、遊具の製作・販売、遊園地の運営受託といった従来の事業に加え、閉園した遊園地の遊具を再生して国内外に供給するユニークな事業、そして再生遊具を用いた遊園地の自社運営によって、遊具産業における新たな価値創造をリードしています。これらの革新的な取り組みは、単に遊具を供給するだけでなく、遊園地という文化施設そのものの存続と再生に貢献するものとして、広く注目されています。

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